ピカピカに仕上げていたTLR125(TLR200のフレームにXL125Sのエンジン搭載の改造バイク)だったが、軒下保管が祟って埃まみれの上に各所にサビが発生していたので、昨年洗車してドンキーベースに運び込んでおいた。
HONDAの名機XLだけあって、長い放置期間でもエンジンは1発で掛かる。山に乗り入れて調子を見てみようと、少し手を入れる事にした。先ずは台湾製のリアサスである。取り付けた時にはメッキがピカピカ光っていたのであるが、軒下とは言え、カバーも掛けず5年も放置していたら、雨風に晒され赤サビが発生している。日本製ならここまではならないであろうが、外国の安物はメッキが薄いのか、下処理が悪いのか早いものではサビが出るのに一年持たない。まぁそれは分かっていて買ったのだから仕方無い所である。
サビは上部のメッキ部分と片方のロッドに点サビなので、今ならまだ間に合いそうだ。通常スプリングを外すにはスプリングを縮めなければならないが、このサスはスプリングの隙間から薄スパナを挿し込んでナットに掛ける事が出来たので、治具を使わずとも分解、組み立てする事が出来た。
サビはボンスターで落として、オイルスプレーをタップリ吹いておいた。これからは、屋内保管となるので当分は大丈夫だろう。
エンジンは掛かるが、5年前の6Vバッテリーは当然ご臨終となっているので、アイドリングではウインカーの点滅がおぼつかない。藤さんがコンデンサを2ヶも持って来てくれたので、バッテリーレスにして、更に12V化する事で解決しようと考えている。
タンクの塗装に膨らみが出てサビが出て来たので、一度塗り替えたのだが、また同じように塗装が膨らんで少しサビも出て来ている。何故このタンクだけこんな事になるのかさっぱり分からないでいた。塗料もウレタンで、硬化剤も規定値で混ぜている。下処理に薄付けパテを少し使用したが、パテの乾燥時間の問題かも知れないと思い2日程乾燥させても同じ結果になってしまっていたのだ。
ところが、昨年エアーコンプレッサーをドンキーベースに運び込む時にタンクの中で何か音がしたようだったので、揺すってみたらチャポ。チャポ。と音がする。水だ。外の排水溝の上に運び出してドレンボルトを緩めると茶色に濁った大量の水が出て来た。たまにはドレンを抜いて水を出すメンテをサボったお蔭で、エラいことになっていた。高圧洗浄機でタンク内を洗い、乾燥させた。タンクのカプラにウオーターセパレーターを取り付けているから大丈夫だと思っていたが、あんなに大量の水が入ったタンクから送られて来るエアーはきっと水混じりだろう。それが塗料の膨らみに繋がったのではないかと思われる。3度目の塗装で原因が分かるかも知れない。
何れにせよ走行には支障がないので、サビを落として磨いたサスを取り付けて山に出掛けてみる。エンジン音とパワーフィルターの吸気音、それとエキパイとマフラーを繋ぐパイプから少し排気が漏れている音、マフラー音が混ざり結構な音量となる。TLR200よりはかなり大きな音である。
山に入ってガレ場を登ってみる。台湾製のガチガチサスであるが、トライアルのような技を使う事無く走るだけなら何の問題もない。ギア比も狙った通りにやや低速重視なので、急坂でも軽々と登り切り、125ccとは思えないパワフルさはTLR200と遜色ない程である。
ブレーキはTLR200と同じ前後共ドラムであるが、オフロードトレッキングでは必要にして十分であり、定番のTLMのディスクブレーキを移植するまでもない。
獣道、ガレ場、河原などを走って、帰路は国道を走ってみた。ギアを繋いで加速し、6速に入れての巡行は四輪車に十分追従出来るだけのスピードとなり、追い抜かれてヒヤリといった事もないのだが、アスファルトの高速走行はブロックタイヤの摩耗が早いので、幹線道路はあまり走りたくないし、TLには似合わない。エンジンはトラブルも無く至ってスムーズ、吹けも良かった。ブレーキ、サスも問題無い。シフトレバーは角度を僅かに下向きにした方がもっと乗りやすいかな。タイヤはIRCツーリストの新品なのでグリップも良いが、帰ってみると、タイヤの右側のショルダー部分に一部擦り跡があった。バッテリーケースが接触したらしい。このケースはTLM50用を加工して取り付けているので、タイヤとのクリアランスが狭かったのではあるが、一部だけ接触という事はタイヤかリムが捻れているという事だ。リアタイヤを浮かせて回してみると明らかに捻れている。タイヤ取り付け時の施工ミスなら良いが、リムが歪んでいたら厄介な事になる。
磨き終わったリアサス
塗装が膨らんだタンク
TLR125の勇姿