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笏取り虫

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906tom@ Re:フロントブレーキ修理(05/09) 太田ガレージに入庫する中古物件にしては…
2024.08.09
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何時もの癖で朝4時30分に目覚めてしまった。充電式LEDライトは弱にして1晩中灯していたが、まだまだ余力は十分残っているので心強い。まだ夜は明けていないが、ゴソゴソしながら起き出して、車内のデジタル温度計を見ると22.4°を表示している。爽やかな朝だ。
ガスバーナーにマルチグリドルを掛けて湯を沸かし、目覚めのコーヒーを淹れて夜明けを待つ。夜が白々と明けて来ると待ってましたとばかりに、ヒグラシが一斉に鳴き始めたので、朝食の準備に掛かる。マルチグリドルに油を引かず厚切りベーコン3枚と卵を焼く。パンに挟んでコーヒーを飲みながらゆっくりと食す。美味い。今日も朝から快調である。
食事も終わって片付けも出来た頃、Sさんが起き出して、バナナを食べながら朝の挨拶にやって来た。今日のお互いの予定を話している中で、剣山トンネルから先は土日のみ通行可という情報を得たので、Uターンするか少し引き返して、大ほら橋から県道295で四季美谷温泉経由でR193に復帰するルートしかないという結論に達した。東屋のあるこの場所はキャンプサイトでは無く、クルマの方向転換をするためのスペースとの事で、管理人さんから明日は何処のサイトでも良いのでクルマの移動をお願いされていたので、オートフリートップを下げて、Sさんのいるサイトの日の当たらない木の下に移動し駐車。必要な物をカブのリアボックスに放り込んで、6時30分出発である。
剣山スーパー林道は徳島県上勝町から那賀町のR195の分岐まで総延長87.7キロの日本一長い林道である。途中R193で分断されているものの、殆どがオフロードとなっており走りごたえは十分である。しかし、上勝町から旭丸峠までは近年コンクリート舗装されており、東コースは少し魅力に欠けるので今回は西コース(62キロ)のみ走る予定としていたので、東コースと西コースの丁度真中に位置する岳人の森キャンプ場はトランポを利用するには理想的な場所となる。
キャンプ場から土須峠までは2キロ程で雲早トンネルを抜けると下り坂になる。そのままR193を下ると釜ヶ谷峡分岐で剣山スーパー林道の看板が設置されている。ここからが西コースの始点である。
いよいよ懐かしいスーパー林道へ突入してみたら、思いの外カブが走らない。オマケにアイドリングではエンジンが止まる。標高が高いので気圧が高く、キャブの燃調が狂っているのだろう。走り始めは少し上り坂になっているので、2速で走っているのだが何だかぎこちない。スピードも30キロにも届かない。セローの安定感とは程遠い走りである。やはり90ccのパワーではこのオフロードは荷が重いのだろうか?空気圧が高いのか?などと考えながら取り敢えずファガスの森高城まで走り、休憩。前後のタイヤの空気圧を1.0 まで抜いて再スタート。おやおや!今度は車体がピタリと安定し、スピードも30キロまで上がった。路面状態の比較的良い所では40キロでも大丈夫だ。空気圧の調整でこれだけ違うものか。驚きである。それとブロックタイヤもかなりの貢献をしている事は間違いない。
タイヤの空気圧を下げて走りやすくなったが、注意する事は角が尖った岩や橋梁のコンクリートと道路に出来た段差によるコンクリートの角に高速でタイヤをぶつけるとリムの間にチューブが挟まれ破れてしまう危険性が高まる事だ。その様な状況を瞬時に見極めスピードを落とすか、避ける事が要求される。このカブには通常より厚いスペシャルチューブを装着しているがそれでも用心に越した事は無い。トラ車などはもっと厚いスーパーヘビーチューブなどを履き空気圧を0.3気圧位まで落とす事があるそうである。
それにしても、涼しい。早朝なので陽が差す所が少なく寒いくらいだ。カブもアイドリングを除いて快調になったし、2速と3速のシフトだけで、安定して走る事が出来るのだが、車高が低い分石の跳ね上げや凸石への接触などで時々大きな音をたてる。
スーパー林道は四国山脈の標高1,000メートル付近を尾根伝いに走るので、開けた所では眺望がすこぶる良いし、ブナの原生林の中や、沢から流れる水が溜まって池になった道や、落石でグニャグニャに折れ曲がったガードレールから何百メートルも続く深い谷などカーブを曲がる毎に楽しませてくれる。しかし、急峻な山肌を削って造った道なので、至る所に大きな落石があり、よそ見をしていたらぶつかってしまうので、景色を眺めるのはほどほどにしないと危険である。
よそ見と言えばこの林道は野生動物の宝庫なので、必ず動物と出会う。今日は鹿は見なかったが、猿と初めてのリスを見かけた。動物が森の中へ消えて行くまで見ているとこれも危ない。そうこうしている内に絶景スポット徳島のヘソに到着。文字通り徳島県の中央という事であり、ここからの景色が絶景なのだが、生憎ガスが掛かって真っ白。残念であった。
天神丸を越えた辺りで、後からバイクのエンジン音が聞こえて来た。Sさんのハスクバーナだ。何でも朝食を早めに切り上げて出発したそうだ。折角なので一緒に走りたいが、バイクのパワーが全く違うので、足手まといになっては申し訳ないと思い、山の家奥槍戸で落ち合う事にして先に行って貰った。ハスクバーナのタイヤ痕を目印にして進むと、左側に立ち入り禁止の看板と共に広い空き地が見えた。ヘリポートだ。スーパー林道は民家も店もましてやガソリンスタンドも何も無く、オマケに携帯電話も繋がらないので、急を要する事故を起こしても病院へ搬送するまでに何時間も掛かってしまう。現にバイクで谷に落ちて何人もの人が亡くなっているようだ。そこでヘリポートが造られたのだろう。恐ろしやスーパー林道。
更に進むと開けた道路脇に小さな看板を発見。そこには携帯電話通話可能と書いてあったので、スマホを見てみると、アンテナが辛うじて1本立っているではないか。試しに家に生存確認の電話したら普通に繋がった。著しい進歩だ。更に進むと看板をもう一つ見つけた。
スーパー林道も少しずつではあるが変わって行っているのは良いのだが、舗装だけは勘弁して欲しいなぁと思っていると、突然右側から大きく2箇所に渡って崖崩れしているのが見えた。左側はガードレールの無い深い谷だ。カブを降りてよく見たら二輪なら大丈夫だが、四輪は難しそうだ。ジムニーのように車幅が狭い4WDなら崩れた瓦礫に片輪を乗り上げながら進めば通れるだろうが、乗用車はまず無理だろう。通行止めになっていないので、昨日か今日かの崖崩れかも知れない。
この辺りの路面は今日一番荒れており、路面に深い溝が何本も出来ているので、慎重にならなければならないが、スピードにも慣れて来ていたのと、溝の深さが見た目は浅く見えた事もあり、オーバースピードでそのまま突っ込んでしまった。すると、フロントが大きく振られ、制御不能に陥ったが、そこは車重の軽いカブの長所を生かし何とか立て直せたかと思った瞬間、支え切れずカブを右側に倒してしまった。まぁ転倒と言うより倒した感じの強い転け方であったので、怪我も無く精神的ダメージも全く無かったのが不幸中の幸いであった。しかし、カブを起こしてみると、右のミラーガラスに傷が2本、割れなくて良かった。
気を取り直し、注意を払いながら、それでもペースは落とさず奥槍戸を目指して2速でエンジンをブン回して坂を登って行くと赤いオフロードバイクとすれ違った。剣山トンネルでUターンして来たのか、通行止めが解除されているのか、尋ねる暇も無くカッ飛んで行ってしまった。
坂を登って行く内に視界が開けて行き、右手に次郎笈が見えて来る。いつ見ても美しい山だ。その奥に剣山が見える。ここも写真ポイントの1つだ。ここを過ぎれば奥槍戸までもう一息である。アクセルを握る手にも力が入る。山の家奥槍戸の駐車場に到着してみると、ハスクバーナが既に到着しておりタバコを吹かしながら待っていてくれた。開口一番「速いですねぇ。まだ5分も待っていませんよ。」だった。オフロードにも慣れて本領発揮と言った所であろう。
休憩の後、恐らくあの赤いバイクは剣山トンネルを通って来たに違いないだろうと思えたので、トンネルを通ってみたら出口に全面通行止の大きな看板が設置されていた。万事急須と思ったが、よく見てみると青い字の解除中の貼り紙がしてあった。と言う事は通れるのね。ありがたや。ありがたや。また、その先にあった看板は「四輪駆動車で車高のある車種のみ通行可能」とあり、二輪の事は書いていないが、四駆が行ける所は当然バイクは行けるよねと言う事で、カブが先導してオフロードの下り坂を鬼のように走る。終点近くは2キロ程道は狭いが舗装路となりR195と合流地点で終わりとなる。
終点で休憩、ここからはクルマを置いてある岳人の森キャンプ場までは全て舗装路なので、リアボックスから充電式空気入れを取り出し、前後共空気圧を高速用にすべく2.0気圧に調整。ハスクバーナは0.7気圧まで落としていたので、1.5気圧に調整。この中華製充電式空気入れは気圧を設定しておけば、その数値になった時に自動で止まるので、ゲージで確認する必要が無く非常に便利だ。Sさんも気に入ったようで早速購入すると言っていた。
ここからもカブのペースが速いので、カブの先導でR193の合流地点までのワインディングロードを3速全開で飛ばす。途中で電波が届きそうな日陰で休憩。1日振りにやっと通信可能となったところで、Sさんは電話やメールやラインに忙しい。
R193に合流すると、土須峠に向けて緩い上り坂となるが片側1車線の広い道なので、カブのスピードは落ちない。段々と高度を上げて行くと、木沢トンネル(1,350m)に到達。中に入った瞬間、温度が低い事が体感できる。寒風山トンネルが15°だったので、恐らくそれに匹敵する位だろう。涼しいを通り越して寒いほどだ。トンネルを過ぎると間も無く絶景ポイント大轟の滝が見える。この滝はいつ見ても豪快な滝である。ここからは急な狭い上り坂となり、酷道193に戻る。カブの泣き所のパワー不足でどうなる事かと思ったが、厳しい所は2~3箇所で、1速と2速全開で何とか乗り切った。途中にあるもう一つの名所大釜の滝で小休憩、スーパー林道入口を過ぎ分水嶺の雲早トンネルを抜ければ、キャンプ場はすぐそこだ。
数頭の犬の鳴き声の出迎えを受け、フレンディーの元へゴール。到着時刻は12時25分、丁度昼食時間だ。今回のスーパー林道はスーパーカブ90の走破性を試すべくチョイスしてみたところ、思ったよりパワフルでオフロード走行も問題無くこなせる事が分かった事は収穫であった。
カブのエンジンを冷やしている間に、ガスバーナーとマルチグリドルで卵と刻みネギ入り味噌ラーメンを煮る。ラーメンを食べ終わった頃、Sさんがファガスの森高城が早朝で締まっていたので、もう一度走って写真を撮って来ると言って出掛けた。午後は、神山町の神山温泉に入って、ここでもう1泊して次の朝帰るそうである。
私はどうしても今日中には帰らなければならないので、フレンディーにカブを積み込み出発準備をする。1つ気になる事は、クルマの燃料の残量だ。数日前、満タンにした時、娘から貰った2本目の燃料添加剤を入れていたので、途中で満タンにしたく無くて、そのまま乗ってきたので、現在半分を大きく割り込んだ程度しか残っていないのだ。
このままR193で昨日の道を引き返せば高低差の大きな峠が2つあり、上り坂で燃費がかなり落ちる事が予想されるので、地図と睨めっこしてしていたら、スーパー林道を1/4ほど走った所から美馬市方面へ繋がる林道木屋平木沢線が分岐しており、下ったR438の合流地点にGSもある事が分かったので、通行できそうか管理人さんに確認を取って出発となった。
今度はクルマで今日2回目のスーパー林道だ。例の崖崩れの場所は分岐点の先だから問題ない。クルマもATタイヤを装着しているしフルタイム4WDなので、荒れ道だが幅員のあるスーパー林道なら不安は無い。
外気温は23°位であろうか、燃費節約にもなるし、エアコンは切って窓を全開にして爽やかな気持ちで走っていると、前方にヨタヨタと走る新型ハンターカブが見えた。後からその走りを観察すると、どうもオフロードを走るのは初めてのようで、危なっかしくて見ていられない。スピードは極度に遅いのだが、今にも転倒しそうだ。恐らく空気圧を落とさずパンパンに張ったタイヤで走っているのだろう。クルマが後に付いていることも分からず、必至の形相で余裕の無いのが見て取れる。突然後を振り返ってクルマが来ている事に気が付きビックリしたのか、バランスを崩して転倒しそうになった。危ない。危ない。
ファガスの森の手前で、キャンプ場へ帰還中のSさんのハスクバーナと出会った。お互いの健闘を讃えながら挨拶を交わし、ハンターカブを見てあげてと伝言し分かれた。
更に進むと次は足立ナンバーの軽バンに追いついた。これもとんでもない位、遅いスピードで亀のように走っている。こちらもカブを積載し、燃費走行に徹してアクセルを余り開けず走っているのだが流石に追いつく、後に付くと気が付いたのか待避所に入って道を譲ってくれた。中年夫婦らしき2人連れであったが、2WDのノーマルタイヤだとあのスピードになるのだろう。
ファガスの森を過ぎて暫く進むと道路の真ん中に何か黒い物が落ちているのが見えたので、クルマを止めて近寄ってみるとタヌキのような動物の死骸であった。顔の辺りが抉られ骨が露出している。朝カブで通った時には無かったので、その後クルマかバイクにはねられたのだろう。かわいそうに。
更に進むと今度は左カーブに大きな石が散乱しているのが見えた。このクルマの車高では跨げない大きさの石が数個行く手を阻んでいるので、クルマを止めて手袋をして石を退けて行く。これも朝には無かったのでその後、岩肌が崩れて転がって来たのだろう。これがスーパー林道である。
やっとの思いで林道木屋平木沢線の分岐まで来る事ができた。ここまでは急坂が余り無いので燃料も思ったより消耗していない。ここからはR438まで全て下りだ。道幅は狭いが舗装路となっていてがっかりだが、通行出来るだけでも有り難い。林道を下って行くと遙か眼下に小さく建物が見えて、四国山脈の高さを実感。高圧線鉄塔を真上から見下ろすような風景は滅多に見る事が出来ない。下り坂は急勾配のクネクネカーブが永遠とも思えるほど続くのでカブを積載した重い車体はブレーキを多用する事を控えるためシフトをLOレンジに入れっぱなしでエンジンブレーキを掛けるが、坂が急過ぎてブレーキを踏まざるを得ない。
ブレーキを少し休ませないとベーパーロック現象が起きて、突然ブレーキが効かなくなるのが怖いので、スピードをなるべく落としてブレーキの感触を確かめながら怖々と下った。ここに来てオフロードとは違う恐怖を味わう事となった。
R438に出たがほぼアイドリング状態で下って来たので、燃料はまだ十分残っており、坂出まで行けそうな雰囲気であったので、給油はせずエアコンを入れてR492に分岐し、美馬方面へハンドルを切ると突然崖崩れ復旧工事のために迂回路が設定されていた。仕方が無いので迂回路の看板に従って細い山道に入るとこれが、急坂の連続。突然降り出した雨の中、かなり高い山を越えて再びR492に復帰。美馬まで下って、吉野川沿いのR192に合流、貞光でR438に合流して一路坂出へ。坂出ICの手前で給油をしようと思ったが燃料計の針はまだ僅かだがEの手前、このクルマはEを少し振り切った所で残量0になる事が分かっているので、家までは何とか大丈夫だろうと踏んで高速に乗った。いよいよダメなら児島か水島で降りれば良いと考えながら瀬戸大橋の走行車線をピッタリ80キロで走る。後続車のトラックにも追い抜かれながらも燃料計を凝視しながら我慢の80キロは譲れない。家に到着した頃にはEを僅かに振り切っていたが何とか無事辿り着く事ができた。帰宅しての開口一番「なんで岡山はこんなに暑いんだ!」



野営地の夜明け

マルチグリドルで作った朝食

R193から分岐するスーパー林道西コース入口

山腹を土須峠に延びるR193とカブ90















霧の徳島のヘソ





ヘリポート

携帯電話通話可能区域を示す看板

崖崩れで四輪の通行が難しい現場





転倒現場

カブと次郎笈

山の家奥槍戸の駐車場佇むカブとハスクバーナ

剣山トンネルの出口にあった通行止めの看板

四輪駆動のみ通行可の看板

スーパー林道終点に止めた2台

充電式空気入れでハスクバーナのリアタイヤに空気を入れるSさん

大轟の滝

大釜の滝
キャンプ場で待つフレンディーの元へ帰り着いたカブ

Sさんのハスクバーナと軽トラ

昼食の卵と刻みネギ入り味噌ラーメン


カブを搭載し帰還準備を終えた車内

フレンディーで走るスーパー林道

大きな落石で緊急停止

林道木屋平木沢線の頂上付近






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Last updated  2024.08.10 07:22:49
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