釧路湿原の丹頂鶴(その6)
国際ツル・センターに着いた時も吹雪いており、その中でツルのエサを横取りしようとするオジロワシやキタキツネとツルの格闘シーンなどが面白かったのこと。しかし、いかんせん、吹雪の中アルから正月の紙面に使うには暗い感じの写真にしかならないアル。そこそこに撮影して宿に戻ったアル。 昨夜の晩飯で珍さんがメシを食べなかったのを見た安藤夫妻の心遣いで、その夜から晩飯は酒のツマミ的なものにシフトされたアル。名前を忘れてしまったアルが、この季節に、この場所でしか手に入らないという珍しい魚の干物が旨かったアル。他にも色々なツマミが出て、好きなジャック・ダニエル、管球式アンプで聞くジャズなどですっかり酒が進んでしまった珍さん、酔った勢いで、安藤氏にペンションのオヤジとしてのニック・ネームを考えることにしたアル。 ↑ エサを横取りしようとする大鷲と戦うツル こういうことを考え始めると止まらなくなる性分アルから、かなり酔っているにもかかわらず、ベッドの上で夜中まで考えては、一人でニヤニヤしながら、名作が浮かぶ度にメモしていたアル。 ↑ エサの横取りに成功し、ツルに蹴られないように必死で逃げるキタキツネ その結果、実に素晴らしい名前を思いついたアル。安藤氏はペンションの経営を始める前は社会科の先生で、ペンション経営の他に、オートバイで日本4周する程のオトキチで、カヌーの指導、釧路湿原などのネイチャー・ガイド、ギターの先生、バンド・マスター、ガラス製のアクセサリー製作、オーディオ・マニア、陶器製作、日本で3本の指に入るというほどのバーボン・コレクターなどなど、本人から聞いただけでも、これだけの趣味、資格を持っているのこと。本業はペンション経営らしいが、3泊しただけで軽々しくは言えないものの、何となく、これも趣味の一環のような気がするアル。 そこで、これらの意味あいを含めた、「ヒッコリー・ウインド」のマスターらしい名前を発表するのこと。ヒッコリーは英語で、北米産の胡桃(クルミ)科の木のことアル。 命名 胡桃風 宿六 これ以上、この怪しげな人相・風体を表し、宿の和名を含み、肩書きまでを表現する名前を越える名前を考えるのは不可能アル。若い人は「宿六(ヤドロク)ってなんなの?」と思うかも知れないアルから、念の為に書いておくと、「家でゴロゴロしている役立たずの馬鹿ダンナ」というようなニュアンスのこと。 安藤氏は決してゴロゴロしている訳では無く、寝る間も惜しんで精力的に働いているし、馬鹿なんぞではなく、かなり頭の良い人間アル。しかし、客が寝静まった後、バーボン片手に一人で真空管アンプが奏でるジャズを聞きながら、ギターを合わせて弾いたり、まるで人相と体格からは想像が付かない小さなガラス・アクセサリー作りをしている姿を見ると、まさに「宿六」のこと。 最後の日に宿のノートに、大きく 命名 胡桃風 宿六と記してきたのこと。安藤氏も結構、気に入ってくれたようで、ひょっとすると、この名前の名刺を作っているかも知れないアルな。他にも色々と面白いメモを残して来たアルが、アルチュー・ハイマーの珍さん、みーんな忘れてしまたのこと。 3日目は鶴居サンクチュアリで11時から2時半まで撮影、これで、かなりいい写真が撮れたアルからこれで引き上げても良かったアルが、まあ、いい年をして、ガツガツと仕事をすることも無いアルから、もう1泊してくつろぐことにしたアル。 カラスガ鳴くから帰ーぇろう ア、俺、カラスじゃなくてツルだった!!! 午後4時からは、「夕陽をバックにネグラに帰るツル」を撮るポイントに案内されたのこと。驚いたのは、ヤドロク氏が「間もなくツルが帰る時間でんがな」と言い残して、車で立ち去った途端に、次から次に巣に戻るツルの群れが、珍さんの頭の上をかすめて行ったアルよ。珍さん、「ひょっとすると、ヤドロク氏がツルの所に行って、石でも投げて飛び立たせたんじゃないか」と思いたくなるほどだったアル。 オラ、バックも出来るだよーーー 後ろ向きに飛べるのは世界中でオラだけだ!!! 4日目は午前中は鶴居サンクチュアリで、だめ押しの撮影、午後は、国際ツル・センターで、ツルとオジロワシの格闘に再挑戦。国際的プロ・カメラマン(?)が4日間も撮影すると素晴らしい写真の山で、写真集でも出さないと使いきれないくらいアル。この中からたった2枚しか使えないのこと。出張旅費を16万円も使って、たったの2枚、それも1枚は記念切手くらいの大きさ、実に無駄遣いアルな。 たっぷりと”迷作”をものにした珍さん、国際ツル・センターから釧路空港へ送って貰い、またもや、空飛ぶ養老院号で帰京したアル。東京に戻ると、2日目に釧路の市場から送ったタラバガニ、イクラの醤油漬け、鮭トバ、コンブ、数の子の醤油漬け、本物のシシャモなどが届いていたアル。さすが、ヤドロク氏が教えてくれた店で買っただけあって、どれも安くて、実に美味だったアル。こういう場合は、舌の肥えた人を信頼するに限るアルな。中でも鮭トバの新製品が最高で、珍さん、ヤドロク氏に再注文したほどアル。 珍さん、あと14カ月で定年アルが、その年の6月にカミサンを連れて、北海道一周をすることにしたアル。勿論、宿舎はヤドロク氏の所を本拠地にするアル。愛車のホンダ・バモスは軽のワゴンながら、後部座席を倒すとフル・フラットになり、1畳のタタミを敷けるアル。そして、フトン、鍋、ヤカン、ガス・コンロなどなどを常時積んでおり、別名は「移動ホームレス号」のこと。 こんな車でカミサンと1カ月もドライブしていたら、ア、ア、ア、アイヤー、3人目の息子が生まれるかも知れないのこと。ア、ア、ア、アイヤー、珍さん、また見栄を張ってしまたのこと。 Thank you for your best kind help, Mr Hickory Wind 再見 2004年12月吉日