新国立劇場「椿姫」
New National Theatre, Tokyo2007/2008 Season OperaGiuseppe Verdi :LA TRAVIATA5 June 2008Conductor : Kamioka Toshiyuki Production : Luca Ronconi Set Design : Margherita Palli Costume Design : Carlo Maria Diappi Lighting Design : Sergio Rossi Choreographer : Tiziana Colombo Violetta Val?ry : Elena Mosuc Alfredo Germont : Roberto Sacc? Giorgio Germont : Lado Ataneli Flora Bervoix : Hayashi Michiko Visconte Gastone : Higuchi Tatsuya Barone Douphol : Kobayashi Yoshiki Marchese D’Obigny : Higashihara Sadahiko Dottor Grenvil : Shikano Yoshiyuki Annina : Iwamori Misato Chorus : New National Theatre Chorus Orchestra : Tokyo Philharmonic OrchestraConductor Kamioka Toshiyuki, active in Europe as a Kappelmeister (a theater’s resident conductor) and musical director, and appearing for the first time at the New National Theatre Tokyo, will bring the skills he has honed in the theater to the direction of a dazzling cast of singers, including the much-talked-about coloratura soprano Elena Mosuc. 新国立劇場「椿姫」2007/2008シーズン【指 揮】上岡 敏之【演 出】ルーカ・ロンコーニ【装 置】マルゲリータ・パッリ【衣 裳】カルロ・マリア・ディアッピ【照 明】セルジオ・ロッシ【振 付】ティツィアーナ・コロンボ【舞台監督】斉藤 美穂【ヴィオレッタ】エレーナ・モシュク【アルフレード】ロベルト・サッカ【ジェルモン】ラード・アタネッリ【フローラ】林 美智子【ガストン子爵】樋口 達哉【ドゥフォール男爵】小林 由樹【ドビニー侯爵】東原 貞彦【医師グランヴィル】鹿野 由之【アンニーナ】岩森 美里【ジュゼッペ】小田 修一【使者】大森 一英【フローラの召使い】黒田 諭【合唱指揮】三澤 洋史【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団本日ディーヴァ降臨!エレーナ・モシュク、すばらしかったです。彼女はいわゆる天才ですね。すごく自分流に歌うが、それが美しく完璧。これぞヴィオレッタ!だったですよ~サッカは第1幕ではセーブしていたが、2幕以降めきめき乗り始めて、なかなかのできでした。スレンダーな体でかっこよかったです。アタネッリはほんとすごい歌手ですね~きょうの観客は彼にだけブラーヴォをかけなかったけど…違うんじゃないか。彼の朴訥なまったくアンサンブルが合わない歌い方。あちゃ~それでも彼の天性の声はすごいよ!太い。ただしパパ・ジェルモンをやるには若すぎる。サッカの方が老けてたし~きょうの客の冷たい反応を感じて、彼のリゴレット、心配になってきた。入りが…。きょうの指揮者は、音楽と音楽の間に完全なサイレンス(沈黙)を2秒ぐらい、必ずドラマティックな部分の前ではおくんですよ~客席の緊張感は高まるけど。好き嫌いあるかな~あまりにもやりすぎると。それからテンポきょうの歌手はわがままでモシュクとアタネッリは自分のテンポで歌ってたからなかなかオケと合ってませんでした。でもそれも生の醍醐味だからいいんですけどね~サッカは器用に合わせていたなあ。大物歌手はテンポも自己流なんだあ~ルーカ・ロンコーニのセットはすばらしい!さすがです。特に第1幕のヴィオレッタの屋敷と賭博場のシーンがすばらしい。セットが壁ごと家具ごと人物ごと移動する! ほんとに何部屋もある邸宅の中に迷い込んだ気になる。これぞ椿姫!ですわ~第1幕ヴィオレッタの屋敷。ヴィオレッタは銀の宝石のついたネックレス、胸元に真っ白なカメーリアを挿している。さっそうとアルフレードが現れる。スレンダーでかっこいい!とにかくエレーナ・モシュクが歌うたびに圧倒される。その体そのものが楽器。とてつもない弱音から強音まで自由自在。一方アルフレードは声を抑え気味である。せきこむヴィオレッタは別室に辞去する。ここのセットチェンジがすばらしい。大広間から、ヴィオレッタの私室へ。そこの扉の中にアルフレードが隠れていて、ドアを開けて入ってくる。アルフレードに花を与え、「ドマーニ!」と約束して帰らせる。ヴィオレッタの輝かしいアリア。もっともコロラトゥーラの美しい部分、モシュクはゆっくり歌った。すべての音程があっている。実に丁寧に歌い上げた。さらにヴィオレッタが寝室に移動する。アルフレードの歌声が窓の外から聞こえると、ヴィオレッタは別室に移動して彼の声を聞こうとする。このへんの美術がすばらしい。よく考えてある。本物みたいに錯覚しちゃう。第1幕了第2幕郊外のヴィオレッタの別荘木が生えている。ソファと椅子。ガラスのついたてのような窓?幸せなアルフレード。ここはなかなかの歌唱。彼もそろそろギアチェンジしたようだ。「あの人が僕に貞節を誓ってから…」有頂天の喜び。アンニーナに奥様が家財を売ったことを聞くと一転、自分のバカさ加減を呪い出す。あわてて出て行くアルフレード。入れ違いに帰ってくるヴィオレッタ。幸せにあふれている。ところがアルフレードの父、ジョルジュ・ジェルモンが急にやってくる。アタネッリ、でかい~ さらに太った?彼は悪人とか極悪人とか悪役とか怒りに駆られた役の方が合うんじゃないかな。ジョルジョ・ジェルモンにしてもいたいけな美女にせまるマフィアの親分に見えちまうよ~でも声はスバラシ~演技もちゃんとしてましたよ~彼は。他の人は知らんけど。「あなたにたぶらかされた男の父親です」「女性に対して失礼では?」「(まったく!)」「実は犠牲をお願いしたいんだ。」「少し別れていればいいの?」「いいやそうではなくて…」「まさか永遠に! いやよ! やめて!」「こんな病気の女に。生きる望みはあの方しかないのに」パパ・ジェルモンは鼻で笑い、首を振る。女のいうことをまったく信じていないのだ。彼は説得方針に切り替えた。「聞いて欲しい。天使のような娘が…」ここ、アタネッリは息継ぎなしで4小節歌いました~「破談になるやもしれぬのだ!」「しょせん愛し合っていてもあんたたちは神さまに祝福されていないんだから…」ついに折れたヴィオレッタ。「あなたの娘に犠牲になった娘のことをおつたえください…」パパ・ジェルモンはありがたくヴィオレッタに手を合わせる。「娘として抱いてください!」「そうすれば勇気が…」「何をしようと言うんです?」「知ったらお止めになりますわ…」「さようなら」「永遠に」