ザルツブルク音楽祭「影のない女」Part1
Salzburger FestspieleDay2Die Frau ohne Schatten11 Aug. 2011Grosses FestspielhausSalzburger Festspiele 2011Richard Strauss : Die Frau ohne SchattenNeuinszenierungChristian Thielemann, Musikalische LeitungChristof Loy, RegieJohannes Leiacker, B?hnenbildUrsula Renzenbrink, Kost?meStefan Bolliger, LichtThomas Jonigk, DramaturgieThomas Wilhelm, Choreografische MitarbeitThomas Lang, ChoreinstudierungStephen Gould, Der KaiserAnne Schwanewilms, Die KaiserinMichaela Schuster, Die AmmeWolfgang Koch, Barak, der F?rberEvelyn Herlitzius, Sein WeibMarkus Br?ck, Der Ein?ugigeSteven Humes, Der EinarmigeAndreas Conrad, Der BuckligeThomas Johannes Mayer, Der GeisterboteRachel Frenkel, Die Stimme des FalkenPeter Sonn, Erscheinung eines J?nglingsChristina Landshamer, Ein H?ter der Schwelle des TempelsMaria Radner, Eine Stimme von obenChristina Landshamer, Erste DienerinLenneke Ruiten, Zweite DienerinMartina Mikeli?, Dritte DienerinHanna Herfurtner, Solostimmen / Stimmen der UngeborenenChristina Landshamer, Solostimmen / Stimmen der UngeborenenLenneke Ruiten, Solostimmen / Stimmen der UngeborenenRachel Frenkel, Solostimmen / Stimmen der UngeborenenMartina Mikeli?, Solostimmen / Stimmen der UngeborenenMaria Radner, Solostimmen / Stimmen der UngeborenenAlbin Frahamer, Daniel Heck, Christina Kantsel, Philipp Kranjc, Paul Krook, Vivien L?schner, Liliya Markina, Sabine Muhar, Christoph Quest, Julia Rath, Andrea Schalk, Hans Dylan Schneeweiss, Barbara Spitz, Marena Weller, Peter Wurzer, SchauspielerWiener PhilharmonikerKonzertvereinigung Wiener StaatsopernchorSalzburger Festspiele Kinderchor現在ザルツブルクは11日の24時。さきほど、ティーレマン指揮の「影のない女」、大歓声とアプローズがなかなかなりやまない状況で終演した。歌手は初日より断然良かったです。グールドもシュヴァンネヴィルムスもすばらしかった。しかしイヴリンが本当にすばらしくて満場の大喝采をさらった。ティーレマンを除いて歌手の中で一番。ティーレマンへの客の熱狂振りはすさまじく、本場はこうなのか!と驚嘆した。ティーレマンの創り出す音楽はそれはそれはすごかった。それが幕切れに向かうにつれ高まってくるものだから、もうすごい。ウィーンフィルすごかった。ウィーンフィルの金管のものすごいこと!こんなすごいものは今まで味わったことがない。彼のヴァーグナーに人々が熱狂するはずだ。演出に関してわかったことはこれは「影のない女」ではなく、「影のない女」の音楽を使用したまったくの別物だということだ。しかししかし深層の深いところでは見事につながっている。私の思っていたことはかなり裏切られた。そんな安直な演出家じゃない。危惧していたが、これはこれで、すばらしい。演技も達者な歌手だけではなく、演技を苦手にしている歌手もものすごく入り込んでいて、伝わってきた。※内容に触れますのでご注意ください。私の勝手なスペキュレイションが入っています。この舞台設定は前にも書いたが1955年のカール・ベームによる「影のない女」の初レコーディングにインスパイアされたもの。レコーディングスタジオは氷の中のように寒く、歌手たちはコートを着込んでいる。まずガイスターボーテ(霊界の使者)と乳母の会話。トマス・ヨハネス・マイヤーが演じるガイスターボーテはK?というイニシャルのバッジをしている。カイコバットというレコード会社の人間。彼は社長カイコバットから無理難題を押し付けられた。ど素人の女を主役のカイザリンに使えというのだ。ガイスターボーテは乳母役の歌手に彼女の面倒を見て一人前にするように言う。「期限は3日だ!」3日で皇帝を歌うスター歌手のスケジュールが切れる。その間にものにならなければレコーディングは失敗だ。スター歌手はいらいらしながらかみてで待っている。ガイスターボーテは歌い終わると背後のひな壇に腰掛けてむかつきながら様子を見守っている。皇帝は自分のパートを歌い終え、またかみてで待っている。スティーブン・グールド、すばらしい声!カイザリン役の駆け出しの歌手はずっといすに座って待たされている。生意気そうな20ぐらいのADに立ち居地をいちいち指示される。鷹の声役の女性は非常に若い歌手でADみたい。歌い終わると背後のひな壇の鉄柵につかまる。皇后と乳母役は人間界に降りていくパートを歌う。かみてからあわただしくやってくるバラクとその妻役の歌手。この2人は実際に夫婦だが最近うまくいっていない。妻がやたらヒステリックになっていて(オペラの中と同じ)バラクの手に負えないのだ。バラクは魔法瓶に入れてきた飲み物を妻に差し出すが拒否されるバラクの兄弟役は、すぐに出番が終わるので出て行くときに嫌がらせで足をひきずったり目を押さえたりしながら出て行く。(そういう役なのだ)イヴリンはすばらしい声。コッホはまろやかで暖かい人間味あふれる声。どんなに妻に悪態を疲れても我慢している今のところは…バラクの例のロバがいないという部分をどうするのかと思ったらマイクスタンドをかみての端の入り口の横に立ててそこで収録していた。楽譜をカバンに入れたバラクは悄然と出て行く。舞台には皇后と乳母役が登場する。合唱の女たちがぞろぞろ現れる。彼女たちはコンパクトを取り出し顔を覗き込む。皇后役の女性はコンパクトをバラクの妻に渡す。バラクの妻は鏡の中の自分の姿に魅せられる。浮気相手の青年役も若くて軽い男。レコーディングスタジオの調整室の上手側にもうけられたバルコニーから歌いかける。バラクが帰ってくる。子供たちの声。バラクに寝床を別にすると通告する妻の場面のレコーディング。夜警たちの声が響く。姿は現さない。バラクはさっさとかみてにいなくなった妻に向かって歌う。おい聞こえるか?バラクは帰るために荷物を片付けだす楽譜をしまい、魔法瓶をしまいいすの上においてある見慣れないコンパクトに気づくこれはカイザリン役の女性がバラクの妻に渡したもの。「うちのやつはこんなの持っていない…」椅子の上に戻す。夜警の声。「だったらいいんだけどな…」あきらめたようにまだ希望を持っているようにつぶやくバラク。もう胸キュンですわ(すみません。ここで1幕終了。客のとまどい。拍手はまばらな感じ。これが変化していくんだからね。ものすごいテンションに。Part2に続く