佐渡裕メリーウィドウ開幕
Photo Album兵庫県立芸術文化センター制作佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2021「メリー・ウィドウ」(全3幕/日本語上演・日本語字幕付/改訂新制作)2021年7月16日~25日 全8公演兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール鑑賞日:2021年7月16日ハンナ・グラヴァリ(大富豪の未亡人):高野百合絵ミルコ・ツェータ男爵(ポンテヴェドロ公使):折江忠道 ヴァランシエンヌ:高橋 維 ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵(公使館付の書記官):黒田祐貴カミーユ・ド・ロシヨン(パリジャン):小堀勇介 カスカーダ子爵(パリジャン):小貫岩夫 ラウール・ド・サンブリオッシュ(パリジャン):大沼 徹 ボグダノヴィッチ(領事):泉 良平プリチッチュ(退役大佐):志村文彦プラスコヴィア(プリチッチュの妻):押見朋子クロモウ(公使館参事):森 雅史 オルガ(クロモウの妻):鈴木純子シルヴィアーヌ(領事の妻):香寿たつきニエグシュ(公使館書記):桂 文枝 エマニュエル:鳥居かほりオペラ座のエトワール:高岸直樹、吉岡美佳ひょうごプロデュースオペラ合唱団兵庫芸術文化センター管弦楽団指揮:佐渡 裕(兵庫県立芸術文化センター芸術監督)演出・日本語台本:広渡 勲 装置:サイモン・ホルズワース衣裳:スティーヴ・アルメリーギ照明:沢田祐二振付:川西清彦合唱指揮:矢澤定明訳詞:森島英子衣裳補:小栗菜代子演出助手:飯塚励生Hanna Glawari:Yurie TAKANOBaron Mirko Zeta:Tadamichi ORIEValencienne:Yui TAKAHASHICount Danilo DanilowitschCamille de Rosillon:Yusuke KOBORIViscount Cascada Iwao ONUKIRaoul de St.Brioche Toru ONUMABogdanowitsch Ryohei IZUMIPritschitsch Fumihiko SHIMURAPraskowia Tomoko OSHIMIKromow :Masashi MORIOlgaSylviane Tatsuki KOJUNjegus Bunshi KATSURAEmmanuelle Kaori ToriiEtoiles of theopera houseNaoki TAKAGISHIThe Produce Opera Chorus, HyogoHyogo Performing Arts Center OrchestraYutaka SADO, conductorIsao HIROWATARI, stage director and Japanese librettoSimon HOLDSWORTH, set designerSteve ALMERIGHI, costume designerYuji SAWADA, lighting designerLeo IIZUKA, assistant stage direct***※歌もセリフも日本語です。神戸のメリーウィドウが無事開幕した。昨日今日と大きなオペラが次々に中止になるやりきれない思いその重苦しさを吹き飛ばす大阪の明るいメリーウィドウでした。十重二十重にこれでもかと終わらないwやっぱり喜劇は浪速ですねw桂文枝師匠がすごかったです。宝塚もすごかった!オスカル!そしてそしてスーパーテノール小堀勇介持ってきました。すばらしい!詳細詳述いたします。佐渡裕さんの生み出す音楽もすばらしい。会場はオール木製のすばらしいホールしかし巨大ソリストとセリフのある人は全てマイクをつけてます。しゃべるシーンがあるので当然ですね。佐渡裕さんもすごく鳴らすので必要です。衣装が美しいです。美術も最高最高のエンターテイメントでした。主役が美男美女で演技も歌唱もすばらしいです。***※ネタバレはいたしませんが中身にふれますのでご注意ください。演出は伝統版に沿ったものです。読み替えはいっさいありません。以前の演出の再演なので、これは東京ではできないだろうな~というベタな部分はもちろんあります。ここでだけ見られるからこそ貴重なのです。しかしそれに「大阪要素」がてんこ盛りになってまんがな。これをドイツ語でやるよりはやっぱり日本語なんでしょう。今回のメリーではセリフの不自然さがいっさいなかった。歌も芝居も日本語ですんなり聴けました。会場の芸術ホールは兵庫県の阪急「西宮北口」駅から渡り廊下で直結である。桂文枝さんのかつらやメイクはチャーリー・チャップリンをベースにしていると思う。ツェータの折江忠道さんはまさにはまり役!ヴァランシエンヌはご主人様ラブラブの大仰な芝居を演じる可愛い人妻。高橋 維さんが愛らしく演じています。ベルカントソプラノの最高峰の高橋維さんと同じくベルカントテノールとして最高の小堀さんのカップル、贅沢過ぎます!この作品ではオペラティックに歌い上げる部分は実はカミーユのアリアの部分だけなのです。カミーユだけ本格的オペラ歌手がいればいい作品なのですが、今回はほぼ歌うキャストはすべてゴリゴリの日本最高レベルのオペラ歌手なのでさすが佐渡さんのToo Muchな贅沢過ぎるキャスティングと言えるでしょう。また演出が力を入れ過ぎていろんな役を付け加えていますがその中では機能していないものもあるような…でもそのサービス精神が大阪!NYのブロードウェイのミュージカルのはちゃめちゃな感覚があって楽しいです。マイクをつけるのもむしろ今後はオペレッタではどんどんやっていくべきかもしれないという気になりました。この作品、Die lustige Witweは1861年にHenri Meilhacが書いた、L'Attaché d'ambassade をベースにしている。時代設定はこの頃とも思えません。マキシム(Maxim's)、パリの8区マドレーヌ地区、ロワイヤル通り3番地 は1893年4月7日に設立されたということなので時代設定は19世紀末ということなのでしょう。初演は1905年です。***Nr. 2 DuettSo kommen Sie!~Ich bin eine anständ'ge Frau(日本語歌唱)カミーユIch liebe nur dich, alleinここで高音Hか。小堀さんすばらしい。テノールの空気を切り裂くような高音を耳にすると体中の血液が沸騰し始める。Ich bin eine anständ'ge Frau高橋 維さんすばらしい。小堀さんが描いたのは一途でうぶで、熱情にほだされた男。あまりにも熱くなりすぎていて真剣で、キレやすい。育ちの良さが垣間見え、ヴァランシエンヌの言葉に一喜一憂する。小堀さん、カミーユ・ド・ロシヨンデビューだったのでしょうか?2人の逢瀬を目撃してしまうニエグシュ。Nr. 3 Entrèe-Lied und Ensembleハンナの登場高野百合絵さんをお聴きするのは3回目で奇しくも二回ともコジのドラベッラだ。どれも出色の出来だった。ハンナのFachはソプラノなので高い音も用意されているがメゾの高野百合絵さん後半に行くほど高音も完璧に聴かせた。背が高く、ゴージャスで華やかな美女。高野百合絵さんは世界に通じる逸材である。ハンナは充実した声が必要なのでまさにぴったりであった。ハンナに群がる男たちがすべて違う芝居をしていてすばらしいです。カスカーダとサンブリオッシュも赤いバラの花を捧げてアプローチ。伝説的バレエダンサーの高岸直樹様も降臨!とてもびっくりした。うれしいです。ユーロ2020でシェフチェンコを見た時のような感覚です。Bitte, meine Herr'nお金の歌(日本語歌唱)ハンナBitte, meine HerrnハンナHab' in Paris mich noch nicht ganz(日本語歌唱)Nr. 3a Ballmusikヴァランシエンヌはハンナにカミーユを押し付けようとする。Nr. 4 Auftrittsliedダニロ登場の歌「おお、祖国よ」"O Vaterland … Da Geh Ich Zu Maxim" (Danilo)(日本語歌唱)黒田祐貴さんはハイバリトン。背が高く細面で今日は眼鏡がないので阿部寛にちょっと似ている。ダニロのFachはtenor or lyric baritoneとなっている。ニエグシュとダニロダニロハンナが来る2人は喧嘩になる※おバカな騎兵隊さんの歌はここだったかもしれません。(フォルクスオーパーはそうなってました。本来の台本だともっとあとなんですが…。)カミーユとヴァランシエンヌJa was? ein trautes Zimmerlein(日本語歌唱)2人は扇子を探しているツェータはダニロにハンナと結婚するよう命令する。クロモウは「愛している」と書かれた扇子が妻のオルガのものだと勘違いして激昂する。彼をなだめるためにツェータはこの扇子は妻ヴァランシエンヌのものだと言う。男たちとハンナ立候補の歌(ヴィコンテカスカダーとサンブリオッシュ)あったかな?ダニロO kommet doch, o kommt ihr Ballsirenen(日本語歌唱)ヴァランシエンヌDer junge Mann tanzt Polka(日本語歌唱)ダンスの相手はあなたがいいわ!僕は踊らないよじゃ権利を1万フランで売ります高額に恐れをなし男たちは逃げていくところがヴァランシエンヌにとことん忠実なカミーユが財布から金を出そうとするヴァランシエンヌは怒ってカミーユを連れていく。さあ二人きりだ踊ろう!いやよ抗しきれないハンナ第2幕ハンナ・グラヴァリ邸Nr. 7Introduktion, Tanz und Vilja-LiedダンスシーンハンナIch bitte, hier jetzt zu verweilen(日本語歌唱)ハンナヴィリアの歌Es lebt eine Vilja, ein Waldmagdelein(日本語歌唱)Vilja, oh Vilja,du Waldmägdeleinこのシーンの歌に聴き入る人々は浮気相手ではなくちゃんと結婚相手とのカップリングになっている。衣装がチェンジされ、豪華ですばらしい!ポンテヴェドロの民俗舞踊を踊るダニロとハンナ。Nr. 8 Duett♪まぬけな兵隊さんHeia, Madel, aufgeschaut...Dummer, dummer Reitersmann(日本語歌唱)ここだったかな?ハンナ:Heia, Mädel, aufgeschaut扇子の持ち主を探るダニロ。Nr. 9 Marsch-Septett(Danilo, Zeta, St. Brioche, Cascada, Kromow, Bogdanowitsch, Pritschitsch)ここが名高い♪女だらけのマーチ です。♪女だらけのマーチWie die Weiber man behandelt?(日本語歌唱)Wie die Weiber本来はダニロ、ツェータとクロモウ、ボグダノヴィッチとプリチッチ、カスカーダ、サンブリオシュの7重唱のはずですが、ニエグシュが紛れ込んでいますw女性陣も乱入<休憩>だったかなNr. 10 Spielszene und Tanzduettダニロとハンナ2人はまた喧嘩。メリーウィドウワルツのメロディが流れます。ダニロはハミングします。ここはマイクをつけている効果です。ハミングはマイクをつけてなかったら聴こえてこないはずですから。ツェータは緊急会議を夜8時にあずまやで行うと命令します。Nr. 11 Duett und Romanzeヴァランシエンヌとカミーユカミーユの愛は燃え上がっています。別れを切り出すヴァランシエンヌに対して、理解を示しつつも最後に懇願するカミーユ。カミーユの独唱。ばらのつぼみが…あの小さな四阿へ行こうWie eine Rosenknospe(日本語歌唱)最高音はHigh Cです。(Piotr Beczala と Yijie Shi で確認)Es wird dich mir erringen der Liebe Allgewalt.のAllgewalt でHigh C。ここは注目です。まったく同じ歌を後で密会がばれた後で歌うのですがそことここでは歌い方が違うのです。さすが小堀さん、魅せてくれます。ここのカミーユは幸せの絶頂なのです。カミーユKomm in den kleinen Pavillon(日本語歌唱)甘くせつなく歌い上げます!二重唱へ。カミーユの絶唱にほだされ、ついにヴァランシエンヌはカミーユとあずまやに入ってしまいます。ツェータ男爵が来て、ニエグシュがカミーユがあずまやに入ったと漏らしてしまい、ツェータ男爵は二人の逢引の現場を見ようとします。ニエグシュの機転で…あずまやから出てきたのは…ショックを受けるダニロツェータ「いったいどういうことを話していたんだね!カミーユは仕方なくさきほどの歌をまた歌いだします。カミーユの独唱。ばらのつぼみが…あの小さな四阿へ行こうWie eine Rosenknospe(日本語歌唱)これがさきほどと違って悲しみを込めた歌い方に変化しているのです。ヴァランシエンヌを守るために心ならずも愛する女性に捧げた歌を別の女性に歌わなくてはいけないカミーユの胸の張り裂けるような気持ちが伝わってくる歌なのです。ここは瞠目でした。さすが小堀さんです。カミーユ独唱からの重唱ハンナはカミーユと結婚すると宣言します。ダニロは心の内を隠すように歌いだす。ダニロ『王子と王女の物語』Es waren zwei Königskinder(日本語歌唱)「昔、王子さまと王女様がいました。2人は愛し合っていましたが、王子が無口なのに腹を立て、王女は他の人と婚約しました。王子は傷ついた。」ハンナはカミーユの腕をとって進み出ます。「パリは、何をしたって、自由でしょ?」Ganz nach Pariser Art!(日本語歌唱)ハンナとカミーユ、ヴァランシエンヌが腕を組んで歌い踊ります。ダニロは出ていく。ハンナはダニロの愛を確信して喜ぶ。「彼はあたしを愛しているわ!」Allein liebt er mich, nur allein!(日本語歌唱)いよいよグラヴァリ邸にマキシムが出現!この場が期待通りすばらしかったです!ここがよければすべて良しというのがメリーウィドウ。最高でした!オッフェンバックのフレンチカンカンもあり!プロのダンサーと歌手が入り乱れて踊りまくります。やっぱり圧倒的なプロのダンスが見たいので満足します。Nr. 14 Chanson♪グリゼットの歌Ja, wir sind es, die Grisetten(日本語歌唱)Trippel-trippel trippel trapp!(日本語歌唱)♪唇は黙しLippen schweigen(日本語歌唱)大団円!いやここからまた始まりますwwwエンドレスかと思いましたw超絶楽しかった~~~ひととき現実を忘れたい方は必見!佐渡裕のメリーウィドウ。***Related links2012年05月27日 Volksoper DIE LUSTIGE WITWE Day4 Cast