第19回東京音楽コンクール 声楽部門第2次予選
第19回東京音楽コンクール 声楽部門 第2次予選2021年8月22日(日)11:00開演15:45審査結果発表東京文化会館 小ホール【結果】本選出場者(第2次予選出場順)中須美喜(ソプラノ) NAKASU Miki, Soprano花房英里子(メゾソプラノ) HANAFUSA Eriko, Mezzo-soprano梶田真未(ソプラノ) KAJITA Mami, Soprano奥秋大樹(バス) OKUAKI Daiki, Bass七澤結(ソプラノ) NANASAWA Yui, Soprano1.川田桜香(ソプラノ) KAWADA Oka, Soprano ピアノ:佐藤文雄C.ドビュッシー:出現中田喜直:組曲「魚とオレンジ」より 「はなやぐ朝」V.ベッリーニ:オペラ『夢遊病の女』より 「私にとって今日という日は(気も晴れ晴れと)」 まさに奇跡の声。天使の声のようなソプラノ・レッジェーロ、コロラトゥーラ・ソプラノです。ものすごい高音プレイヤー。High Dや、High Esがラクラク。もっと高い音も出るような声だった。東京文化会館小ホールの奇蹟の響きで魅惑倍増。 蛇足ですが川田桜香さんはSHINZO Kinen Opera Vol.4 魔笛でパパゲーナ役でした。2 中須美喜(ソプラノ) NAKASU Miki, Soprano ピアノ:新納芳奈S.ラフマニノフ:12の歌 Op.21より 第7曲 ここは素晴らしい場所V.ベッリーニ:オペラ『カプレーティ家とモンテッキ家』より 「ああ!幾度か」V.ベッリーニ:オペラ『夢遊病の女』より 「ああ!信じられないわ」 美声のリリコ。圧巻の演奏に会場内からも大きな拍手だった。演技も入り込んでいて表情豊か。会場を震わす爆発的な響き。最後のLa SonnambulaではHighEs High D High Esと披露し、最後にHigh Esをとっておくという構成の見事さ。カバレッタで明るく豹変し会場内を震わせた爆演。 蛇足ですが中須美喜さんは2018年春祭ローエングリンの小姓役の一人でお聴きしていました。 3.花房英里子(メゾソプラノ) HANAFUSA Eriko, Mezzo-soprano ピアノ:木下志寿子O.レスピーギ:4つの歌 P125より 第4曲 古い歌に寄せてG.ロッシーニ:オペラ『チェネレントラ』より 「悲しみと涙のうちに生まれて」R.シュトラウス:オペラ『ナクソス島のアリアドネ』より 「気分を直しましょう」 オペラのプロの舞台の第一線ですでに活躍している。直近ではファルスタッフのメグ・ページ、そして亞門さんの蝶々夫人のスズキ。プロとして確立した完成した技巧とノーブルで魅惑的な声。妖しい東欧的響き。2曲目はウラをかく選曲でなんとチェネレントラの大アリア。最後のシュトラウスでドイツ語で圧倒的表現。やはりドイツ語がはまる~~!酔いしれました。 4.田井友香(ソプラノ) TAI Yuuka, Soprano ピアノ:大貫瑞季S.ラフマニノフ:6つの歌 Op.38より 第3曲 ひなぎくC.ドビュッシー:アリエルのロマンスG.シャルパンティエ:オペラ『ルイーズ』より 「その日から」 美声のレッジェーロ・ソプラノ。ロシア語、仏語、仏語という構成です。昨年の日本音楽コンクールで最終予選に残った方です。5.照屋篤紀(テノール) TERUYA Atsuki, Tenor ピアノ:子安ゆかりB.ブリテン:ミケランジェロの7つのソネット Op.22より 第1曲 ソネット第16番R.シューマン:12の詩 Op.35より 第10曲 ひそやかな涙R.シュトラウス:4つの歌 Op.27より 第3曲 ひそかな誘いJ.マスネ:オペラ『ウェルテル』より 「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」 昨年の日本音楽コンクールで本選に残った方(入選)です。 美しい声のリリックテノール。芝居がかったシアトリカルな表現力があります。ブリテン。 シューマン、レガート。昨年の日本音コン本選でも歌って魅了しました。 ひそやかな誘い。最高音はGis あるいはAs(ラの♭)der Rose Pracht.のPracht(Gis) と O komm(As) が最高音。 ウェルテルからプルクワ Massenet: Werther Pourquoi me réveiller 最高音はB(B♭)で2回、強く長く伸ばすことが必要な難曲です。6.梶田真未(ソプラノ) KAJITA Mami, Soprano ピアノ:関根寿代A.ドヴォルザーク:オペラ『ルサルカ』より 「月に寄せる歌」P.I.チャイコフスキー:6つの歌 Op.38より 第3曲 騒がしい舞踏会の中でG.ヴェルディ:オペラ『運命の力』より 「神よ、平和を与えたまえ」 梶田さんは昨年蝶々夫人プレコンサート、そしてオペラ紅白でお聴きしたドラマチックソプラノの逸材。2017年の日生ルサルカの森の精役で出演されているのでルサルカはその時カバーだったのでしょうかね? ルサルカ、まるで地の霊のような深いミステリアスな響き。ダイナミックでスケールの大きい歌手です。 2曲目はロシア語。 3曲目の勝負曲はパーチェ。High C→B→B マレディツィオーネでHigh C!見事です。 7.奥秋大樹(バス) OKUAKI Daiki, Bass ピアノ:渡邊拓也F.プーランク:歌曲集「月並みな話」 FP107より 第4曲 パリへの旅F.プーランク:マズルカ FP145G.ロッシーニ:オペラ『チェネレントラ』より 「あの天の神秘の深みより」 2019年の日本音楽コンクールで入選。これまでにも何度かお聴きしているバスの逸材。 深い声のプロフォンドなのに美声。芝居っ気もあって癖のある役が多いバス歌手には適材。なんとも心地よい低音の響きに魅せられます。 入ってます!独特の彼の世界に引き込まれる。 チェネレントラよりアリドーロ先生のアリア。まさに奥秋劇場!プロフォンドな美声が心地よい。カデンツァも最高音も最低音もすばらしい!8.七澤結(ソプラノ) NANASAWA Yui, Soprano ピアノ:大貫瑞季G.ロッシーニ:オペラ『オリー伯爵』より 「悲しみの餌食となり」C.ドビュッシー:出現F.プーランク:「ルイ・アラゴンの2つの詩」 FP122より 第2曲 華やかな宴 なんとも魅力的な方です。愛嬌があってくるくるの大きな目に感情移入してしまいます。High E High Es ぶちかまします。すばらしい!独特の世界観があって、コメディエンヌ路線を爆走しています。9.木和田絢香(ソプラノ) KIWADA Ayaka, Soprano ピアノ:古藤田みゆきF.P.トスティ:「アマランタの四つの歌」より第1曲 放して!息をつかせて第3曲 むなしく祈りR.レオンカヴァッロ:オペラ『道化師』より 鳥の歌 「大空を晴れやかに」 ピアノが古藤田みゆきさんなのですばらしかったです!ピアノの前奏ですでに持ってかれました。 木和田絢香さんは背の高いすらっとした美女で将来性があります。美声のリリック・ソプラノです。演技しながら歌う演唱で情緒を感じさせます。 鳥の歌ではネッダの心情が伝わってくる演唱でした。若く自由を欲しているそして瑞々しい青春の発露。まぶしく、美しかったです。10.坂東達也(テノール) BANDO Tatsuya, Tenor ピアノ:藤本さえ子中田喜直:鳩笛の唄H.ヴォルフ:「メーリケの詩による歌曲集」より 「炎の騎士」J.マスネ:オペラ『ウェルテル』より 「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」 彼は大変パワフルな歌手で中音域は独特の声でリリックテノールですが高音域はヘルデンテノールのような発声でした。 鳩笛。日本の曲で精緻な表現力を見せ曲のデュナーミクを表現。 ドイツ語 最後はウェルテルのプルクワ。高音のB、Bは見事でした。皆様お疲れ様でした!最高にすばらしかったです!!