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所長サンの哲学的投資生活(西安不動産篇)

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カテゴリ:読書日記

ぼくは時間が自由にできるほうなので、

ビジネス書だけでなく小説もたくさん読む。

でも会社員のときは今ほど小説に時間をかけられなかった。

どうしても小説よりも仕事に関する本を優先した。

 

じっさい、小説は生産的ではないと考えるかたもいるので、

大の小説読みとしては、前のエントリーにつづき、

ふたたび小説の効能について考えてみます。

 

まず小説の定義は、物語であるということ。

舞台設定があり、人物設定があり、ストーリーがある。

読み手は、ストーリーに波長をあわせる。

しだいにじぶんは空気のような存在になり、

登場人物の思考とじぶんの思考は、ときに一致し、

ときに否定し、できごとを予測し、想像し、

振り返り、賛同し、よろこび、悲しむ。

このときじぶんの軸をどう保つかが、

そのひとの価値観となってゆく。

だから、多くの小説を読むことで、いろんな思考を知り、

いろんな行動を知り、人物を知ることで、

平準化と一般化が繰り返される。

経験値が多いほど思考の軸は太く重くなる。

 

PCゲームではこれはできない。

ゲームの目的は攻略が主体なので、負けてはいけないからだ。

小説には勝ち負けもなく、そこから自己をつくってゆく。

大切なものはなんだろう?という問いかけに、

ゲームでは勝つことしか答えが用意されてないからね。

 

たとえば、ぼくの好きな釣りもそう。

あれも釣果が多いことが勝ちじゃない。

おなじゲームでも勝ち負け以外の価値観を学べるものは、

こころを豊かにする。

 

話をもとにもどすと、

小説とは、じぶんとちがう状況設定に身をおくことで、

ひとの思考がどう変化するのかを体験する「哲学」なんだ。

たとえば、SF小説は、

ルールが変わるとひとはどう変化するのかをたのしむ。

推理小説は、

与えられた条件から想像や飛躍をたのしむ。

 

いま、会社員が優先して読んでいる、

業界知識やトレンド分析もの、ノウハウものなどは、

必要な知識の底上げになるかもしれないけど、

ほとんどが、"すでに誰かがやったこと"の解説だ。

ありがたい知識でも、後追いの情報だよね。

今年はこうなる的な読み物も、別に否定しないけど、

今年なることを知って行動しても、

大勢のひとたちが頑張ってやってる域から出てない。

みんながやってることは大切なことで知る必要があるけど、

じぶんがとる行動は、おなじじゃだめでしょ。

 

小説の効能はもうひとつあって、

ことばが豊かになること。

語彙の数だけ思考があるわけで、

あたらしい表現を発見したときに、

ぼくはこの小説を読んでよかったなあ...と感動する。

ことばは武器なんだから、たくさん持ってたほうがいい。

ひとがまず最初に使う武器はことばなんだから。

 

 

 






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最終更新日  Apr 24, 2011 02:57:22 AM



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