ふと視線を感じる事はないだろうか？

時々だがオイラはある

誰かは分からないが、確かに感じる熱い視線


深夜・・・

夢の中で感じていた視線で目が覚めた

少し心臓がﾄﾞｷﾄﾞｷしている

時計を見ようと起き上がろうとしたのだが、体が動かない

・・・金縛りってやつか？

意識はしっかりしている
だが、指先一つ動かす事が出来ない


そんな中、明らかに視線を感じる
・・・誰かいる

徐々に目が暗闇に慣れてくる

辺りを見回す・・・だが誰もいない

耳を澄ましてみる・・・

・・・ｼｰﾝ・・・？・・・ｶｻ・・・ｶｻｶｻ

何かいる・・・何だ？
僅かな音を頼りに目を凝らす

・・・・く・・・も・・・？

「でかっ・・・」

思わず声が出た、と同時に体も少し動くようになった

恐る恐る明かりをつける


すると、MDくらいの大きいクモが天井に張り付いていたのだ

「おっ・・・おぅ」
何故かクモに挨拶するオイラがいた


クモは微動だにしない

害は無さそうだが、落ち着いて寝る事が出来ない

直接触るのは抵抗あるし、突付いてどこかに落ちても困る・・・


そこで、掃除機の先に網目状の布を貼り付け
クモが潰れないように、出力を下げて吸い付けた

ものの見事に”ピタッ”と張り付いた

そのまま窓を開け、外に出しスイッチを切る
クモは最後の力を振り絞って糸を出す
布に糸を付けたクモは、命綱である糸を頼りに下へと降りていった

さらばクモよ・・・元気でな・・・

その後、クモは姿を見せなくなった