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カテゴリ:磯カゴ釣り
前回では私のカゴ釣り人生前半の20数年間を綴りましたが、ここでは残りの20年余り…つまり現在に至る過程を書きたいと思います。 「イサキの磯釣り適期は初夏から晩秋まで」と今でこそ言えますが、館山磯デビュー当初は「秋口になったら終わりです」と教えられたので、晩秋から春先まではカゴアジ釣りとの二刀流(笑)を考えるようになりました。 デビュー当初、とりあえずカゴアジ仕掛け(大黒仕掛け)には自信があったのでそれを使うことにした。 20年位前まではカゴ師も少なく釣り座は選び放題だったので、一番メジャーな釣り座でやることにした。 水深は6m位なので、中層を釣ることにしてタナは2ヒロで始める。 アジもイサキも遊泳層はさほど変わらないと考えていたからである。 釣り始めてわかったことがある。 そこの磯は今までにあまり経験がないほど干満差で激流になることである。白浜界隈みたいに投げたところに仕掛けがとどまる時間帯はほんの1時間ほどしかないのだ。 これには面食らった。 糸を出せば際限もなく流れて行ってしまい回収がきつくなってくるし、止めれば仕掛けが浮いてタナがぼけてしまう。 「ここはどうやって釣るの~?」となった。 ある時、職場の釣り友と行った時である。 私らがオデコで車に引き揚げると、ここの常連らしきカゴ師が奥の磯から上がってきた。 「釣れましたか~?」 「ええ、イサキが3匹とメジナですね~」 スカリを見せてもらうと尺を優に超えるイサキとキロクラスのメジナが入っていた。 「うわっ!、すごい!」「やはりイサキは釣れるんですね?。」 「ええ、今の時期だけですけどね。秋口には釣れなくなっちゃいます。」 「どう釣るんですか?」 「そこは通称Tと言ってここで一番のポイントです。仕掛けは止めてアタリを待ちます。浮いても大丈夫です。一ヒロもあればイサキは食いますから。」 「コマセのアミは混ぜ物はしないで洗って使います。光るアミコマセがいいですよ」と親切に教えてくれた。 しかし… 何回通ってもオデコの連続!(涙) 私は1~2匹の散発な釣果はあったが、私の釣り友の一人は四十数回連続のオデコを記録。 その間私達は何もしなかった訳ではなく、場所を変え、タナを変え、狙う潮(時期)を変えても結果はついて来なかった。 しかし、釣れないのは私達だけで、そこに通う名人級の釣り師はちゃんと結果を出しているから魚が居ない訳ではなくて、私達の釣り方に問題があるのだ。 数年、試行錯誤を繰り返しながら通っているうちに気付いたことがある。 基本的なことだが、人気の釣り場でも魚が口を使うポイントはほぼ決まっている。つまり、そこの海中には何か周りとは違う地形があることだ。 それが突起した根であったり、深い溝であったり、つまり魚が隠れやすい、魚が付きやすい場所が必ずあるのだ。 それが判らずに、やみくもに何もない平坦な砂地や岩盤上をいくら攻めても結果は付いてこないのだった。 前出の親切な釣り師さんとも何回も通ううちに知人となり、イサキカゴ釣りのノウハウや釣り場を何か所も教えていただいたが、その場所に同行していただいた訳ではなく、単独でその釣り場に行ってもどの位の距離で、どこをどう釣るかまでは教えてはくれないからやはり結果は出なかった。 こんなこともあった。 私と釣り友T氏で釣行した時だ。 事前にその釣り師さんから「Tさん、今度一緒に竿を並べましょう」と誘われていたのだ。 その日は丁度その釣り師も来ており、T氏は「今日は彼の脇でやらせてもらうわ」と言って100mほど離れた彼に近づいた。 ところが彼曰く、「私は左右30m位を流すのでそれでも良かったら」と言ったそうだ。 つまりは「左右30mは私のテリトリーなので邪魔をしないで」ということなのだ。 彼の言う「竿を並べましょう」は、同じ立ち位置で釣りをするのではなくて「同じ磯でやろう」という意味だったのだ。 彼は仕方なく私のところに戻ってきたが、さらに追い打ちをかけるように私の携帯に「Oさん、そこは釣れないからとTさんに教えてあげて」と言ってきたのである。 すなわち、私らの立ち位置は釣れないという意味なのだ。 それでも他に適当な釣り座を知らないのでそこでやったが、結局その日は二人ともボーズ。 しかし、後々の彼のメインポイントは私らがボーズを食らった正にそこに移ったのである。 結局、あの日の私らへの指導は何だったのか?、未だに理解できないし、当のT氏は大いに不信感を抱いたのは言うまでもありません。 その釣り師さん曰く、「ポイントは自分で作るものだ」とも言った。 しかしそれも、何回も同じ場所に通って潮の流れを知り、根や溝の状態を知らないと作れないものだ。 彼が言わんとすることは、その日仮にある根又は溝を狙おうとするとき、事前にそこに集中してコマセを入れて魚を誘導し食い気を誘うということだと理解した。 つまりは、全てその釣り場の予備知識が豊富でないとできないことだとわかった。 また、昨今は大勢の釣り師がブログやホームページで釣りのノウハウや釣果を書いているので、それを初心者がただ読んだだけであたかも自分がその道の精通者になったような錯覚を起こすのではないだろうか。 しかし、私も同じだが、ある程度その釣りの何かを判った人間が世間に公開する場合、本当の奥義は決して教えないものだ。 釣り方しかり、ポイントしかりで、それを教えてしまうと自分が苦労して会得した釣り方やポイントを他人に奪われてしまうからだ。 前出の名人釣り師も同様で、彼のブログでの釣果はわざわざ4~5日遅らせてアップしているほど徹底している。翌日だと最新の情報が他人に判ってしまうからだ。 私達にも最低限のことは教えていただいたが肝心な奥義は決して口にしないし公開もしなかった。 しかしそれは至極当然のことなのだ。 私もこうしてブログを書いて情報を流しているが、同じ考えを持っている。 仮に釣り座は判っても根の状態や食わせる場所までは判らないでしょう。「どうぞTRYしてみて下さい」と内心は思っているのです。 昔の(現在も同じか?)師匠と呼ばれる職人は、肝心な技術は決して弟子には教えなかった。 「見て覚えろ、体で覚えろ」と口癖のように諭す。 釣りの世界も一緒ではないだろうか?。 このブログをお読み頂いているカゴ釣りファンの皆様、釣果を上げるには自分で考え、行動に移すことです。そしてその試行錯誤の中から必ず結果は付いてくる筈です。 刑事がよく言う「現場百ぺん」の精神です。 諸先輩の指導や情報は決して間違ってはいないが、100%鵜吞みにせず、自分への一部の知恵として受け取り実践ではそれを応用することです。 かくして私も色々なことがあったが、イサキを求めて南房総に通い詰めて20年。 最近になってようやく奥義の一辺が読み取れるようになり、結果もついてくるようになってきた。 最近の一部の釣果を自慢してみましょう(笑)。 コロダイ 65cm3,5Kg コロダイ 62cm3,1Kg コロダイ 63cm3,2Kg コショウダイ 55cm2,5Kg メジナ、クロダイ イサキ、シマアジ イシダイ 尾長グレ、大型イサキ マダイ 50cm、1,6kg ヘダイ、イサキ これが私の半世紀に及ぶ磯カゴ釣りの歴史です。 これからも体力が続く限りイサキ、アジ、BIGな外道を求めて磯に立ちたいと願っている昨今です。 長文のご愛読ありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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