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HOW TO ものが大好きで、文章の書き方読本をみるとついつい買ってしまう私。
最近手にした2冊の新書はいずれも、NPO(民間非営利活動団体)で活躍されている人が書いたものでした。 NPOっていうのはミッション=自分たちの活動の使命=があって、動いている人たちなので、こうした活動から生まれてきたいろんなノウハウというものは、これまでの慣習を打ち破る可能性が秘められている、ようなきがします。 例えば、地域をよくするために、行政というものは動いているはず。だけど、いわゆるお役所的なものの決め方や、前例主義などは、どうやっても地域のひとたちの声を反映しているとは思えない。私たちの遠いところで物事が決まっていて、その内容もひとごとのように感じることが多いと思うのです。 一方、住民や市民の側。ある人はなんでもお役所がいいようにやってくれると思い、ある人は議員さんに頼めばなんとかねじこんでくれると思い、ある人はなんでもかんでも自分の意見だけぶつけて批判ばっかりで、ある人はまったくの無関心。。。 本当の意味での住民参加とか、市民主体の政治なんてものは、日本人にはなれないことのような気がします。 が、そこへでてきたこうしたNPOは、行政とパートナーシップをとりつつ、行政が汲み取れないような制度のハザマにあるニーズのために動いて、地域をよくしようとする。(NPOも玉石混交ですが) そうした力のある市民が少しずつ生まれているようなのです。 新書の一つ、「市民の日本語(NPOの可能性とコミュニケーション)」ひつじ市民新書。 著者はせんだい・みやぎNPOセンターの代表理事、加藤哲夫さん。 市民活動の経験から、行政と市民が話す場合の「言葉」の違いや、多数決で決まってしまったり声の大きな人の意見だけが通るのではない議論の進め方など、「参加型の議論の方法」「場のつくり方」といったコミュニケーションのノウハウを教えてくれます。 ただでさえコミュニケーションが苦手な人が増えているという。回りの目をひどく気にする人と「自己チュー」と。両脚端ななかで、安心して話せる(糾弾されない)ことを保障された場で、自分の思うことを言う訓練をする。 声をあげるのが苦手な人の声を、 ワークショップ形式でくみ上げる。 人は一人一人感じ方が違うこと、私にしか感じられないことがあること。そのことをみんなが知っていく必要がある。 あなたと私は一緒という部分を確認して終わり、ではなく。 異なる意見をきくことで、自分が排除してきたものが見えるようになる。 他人事を我ごととして感じられるようになる。そんなコミュニケーションのあり方を、著者は提唱しています。市民活動の場で、企業で、行政において、こうした議論をやっていく必要があるのでは、とも。 さらにもう一冊。「自分で調べる技術(市民のための調査入門)」岩波アクティブ新書。 大学助教授であるとともにNPOの運営スタッフでもある宮内泰介さんが著者。 「自分たちのことは自分たちで決める」というあたりまえのことを実現するための「調査」を、自分たちでやってみようと呼びかけています。 行政やマスコミの発表をまるのみして信じるのでなく、本当はどうなのかを自分で調べてみる。そのことが市民に力をつけることにもなる。 そう、物事を調べて問題点を見つけるということは、学者やマスコミだけの特権ではない。フツーの人でも、その気になればできる、いろいろな資料の調べ方や聞き取りのテクニックと注意点、まとめ方などをその方法を紹介してくれています。 私も知らなくって参考になったのは、国会図書館が雑誌や論文の複写サービスをしていて、遠隔地に住む人には郵送してくれるということ。早速、会員になるべく申し込みをしました。 インターネットで調べるときの留意点も。ふと、最近の大学生が、ネットでパパっと調べて、そのサイトの信頼性を吟味せずにレポートをかいてしまうと、大学の先生が嘆いていたのを思い出しました。 コミュニケーション能力と、メディアリテラシー能力と。これからの時代の賢さというのは、これらが求められてくるんじゃないかなあ。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.09.22 00:41:04
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