全仏オープン観戦記1
2回戦で厄介な相手が対戦相手となった。フランスのペールだ。特徴はバックハンドが、錦織選手が警戒するほど上手い。サーブは早い。エースも獲ればダブルフォールトもする。ドロップショットが上手い。
両者ともタフな試合になると試合前に話していたが、それはこれまでの対戦からだ。
錦織選手の3勝2敗。ただクレーでは負けたことはない。
負けた試合は両方痛恨だった。2014年に準優勝した全米オープンの次の年。同じ全米の1回戦で当たった。第4セットでマッチポイントを握りながら敗退した。同じ年のジャパンオープンでも第1セットを簡単にとりながら敗退した。
昨日の試合も第1セットは順調に獲れた。このままいくかと思ったら、やはりそんな甘くはなかった。セカンドサーブを叩かれ、ドロップを落とされ段々追い詰められた。錦織のイライラもあり第2セット、第3セットを落とす。暗雲がたちこめてきた。
第4セットは錦織のサーブからでキープのあと第2ゲームでペールのミスが出てブレイクに成功。次のゲームもキープし3-0の状態に、流れに乗り始め、第4セットは取り返す。
運命の第5セット。ただ5セットまでもつれ込んだ時は錦織の勝率はかなり高い。
試合を決める1ショットがゲームカウント3-2、30-30から出る。ペールがバックのハイボレーを左コーナーに決める。かと思ったら錦織が追いついてウィナー。執念。これが少しペールより上だったかもしれない。サーブもよくなりファーストが入り始め、ストロークの主導権を獲れるようになった。右へ左にペールを振る。走らされてペールの息が上がってきた。第8ゲームをブレイクして、そのまま一気に勝ち切った。
「苦しかった。やりづらい相手だった。最後の最後まで納得するプレーができなかった」
厳しい試合だった。