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2008年09月16日
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カテゴリ:読書日記

春風ぞ吹く

宇江佐真理 新潮文庫

本屋さんを見ると、スルーできないって方、多数いらっしゃると思います。
私も若干、その人種。
大規模本屋さん、中規模本屋さん、小規模本屋さん、それぞれに良さと味があって、いちばん好きなのは、と問われると、どうしても大規模本屋さんになっちゃうけれど、それでも小さな本屋さんのそれぞれの個性は愛しい。

週末によく遊びにいく友達の住む街に、小さな本屋さんがあります。
商店街のかたっぽのはじ、三角の場所に立っていて、チェーン系本屋さんではあるのですが、そのお店の規模は大変に小さいです。本棚が壁際にしかなくて、フロアにあるのは雑誌のラック、といった規模。壁際の本棚は、4つがコミック、3つが文庫。
で、文庫本のところに、手造りのポップがあります。
「今月一番、当書店で売れた本!」
これがね、宇江佐真理の本に立ててあること、多いんだわ。

宇江佐真理の「室の梅」を読んだのは、かれこれ7,8年前のこと、図書館でなんとなしに手にとったのでした。
確かにおもしろかったです。続きがあるなら読みたいな、と思った。
けれど、続編はなくて(この作家は続編を書くような話の作り方はしていない、と今は思っているけれど)作家さんの名前だけぼんやり覚えていたのだけれど。

「1リットルの涙」をおさえて、当店ベスト1!が「雷桜」だったとき、あれれ、と思った。宇江佐真理?
確かにおもしろいと思う。「室の梅」はおもしろかったよ、おもしろかったけどね、でも、売上一位って、なんで?
公民館かどっかで、読書会でもあったのかしらん。
というわけで、ふらりと「雷桜」読む。
おもしろかったです。重厚で浪漫的で。

同じ本を、この小さな本屋さんは、何冊仕入れているんだろう。
いったい、ひと月に、文庫は何冊売れるんだろう。
何冊うれたら、「当店の売上ナンバー1!」になるんだろう。

謎は深まるばかりなり。
愛は深まるばかりなり。
そう、原爆で焼けなかった市内の古い商店街、一歩入るとラブホテルが並ぶ場所、逆に歩けば緑の公園ひらける街で暮らし続ける人の中、だれか、宇江佐真理の小説を確かに愛してる。

「春風ぞ吹く」
これもね、よく売れたみたいです。
だからタイトル覚えました。
代書屋さん、すなわち、無筆の人の代わりにお手紙を書く内職をしているお侍さんのお話で、おこる事件はお手紙にまつわる事件ということになりますが、一本とおる筋は江戸時代の大試験乗り越えていく話。科挙のような仕組みが、江戸の世にもあったのですね。
ひさしぶりに勉強をする人の話を読んだ気がします。

受験生である若いお侍さんが二人並んで、論語をかわりばんこにそらんじて歩く場面が好きでした。知っていることを朗々、かけあって歩くのは楽しいよね。空に響いて、楽しいよね。





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最終更新日  2008年09月16日 16時52分03秒
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