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2009年07月18日
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カテゴリ:読書日記

金春屋ゴメス異人村阿片奇譚

西條 奈加 新潮文庫 金春屋ゴメスシリーズ2冊目

近未来が舞台の、江戸の町での時代小説!
いや、大胆な設定したもんだなァと思いますが、作家が自由に物語をつづるために世界ぶったてる度胸と欲は大好きです。

人が月に行く時代、懐古趣味の人たちが道楽で日本国に「江戸」作って、ついでだから日本から独立しちゃって、世界の中の江戸として存続するために、自治を図る。それだけでも物語になっちゃいそうなところだけれど、西條さんが大切にしているのは、歴史でも筋でもなく、その場面の中に暮らす人の心のようで、自治を図るために置かれた「長崎奉行所」(役職上の名前であって、別に長崎にあるわけではなーい。江戸しかないんだもん、江戸国には。)に暮らす辰次郎さんがひたすらに泣いて笑ってご飯を食べて、戦います。

戦う相手は病だったり、アヘンだったり、自分だったり、われらが親分長崎奉行の金春屋ゴメスだったり!
こないだ読んだ恋細工は女の子が主人公だった分、繊細な物語でもあったけど、こっちのシリーズはエンターティメントに徹していて、これもいいさね。人死にがでるのでひやりとするけど、できるだけ殺さないように、死なないように、小説をお書きになっている気がします。
でもゴメスさんがいる分、厳しいかな。
「烏金」や「恋細工」ほど、善人の話って感じは強くない。いやはや、ゴメスさんは善人だっていうのにそれを感じさせない大変な御仁でございます。

主人公を辰次郎にして、ゴメスさんをどんと後ろに構えさせるつくりにしているのが、うまいです。気がつくとページをめくっている。どんどん早く読めて、すっきりおもしろく本を閉じる。

私はこのシリーズを、ミステリにカテゴライズします。はやく続きが出ないかな。一話完結なのですが、この世界の続いていく先を読むのが楽しみです。





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最終更新日  2009年07月18日 17時12分52秒
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