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お友達が、金木犀の香りに秋を感じた、と言いました。
子供のころ、金木犀の花の落ちたのを、おままごとのお茶碗に盛って遊んだことを思い出しました。 最近、金木犀を見かけたっけ。 考え込みました。 遠く思い出していた金木犀を、昨日、香りました。 今、暮らしているアパートの、自転車置き場のそばに、植わっていました。 そういえば、去年も、秋にはじめて、この木が金木犀だったって気がついたんだっけ。 毎年、秋にはじめて、気づくんだっけ。 この金木犀の根元には10年前に死んだハムスターがまるまって眠っています。 5年前の5月の草取りのとき、「この木の根元はあまりいじらないで。」と、言った人がいました。 「あの子はかわいい、いい子だったよ。」 ゆっくり語ったその人も、3年前に、死にました。 金木犀の花はこんもりと盛り、小さな花は花ごと乾いてぽろぽろ散ります。地面に落ちて、なお香ります。 木は吸い上げるのではなく、抱え込むように。 お日様色の花は温かいから、その夜、地面の下の穴倉で、木のもとに眠る生き物たちが、微笑んで暮らす夢を見ました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年10月16日 07時57分15秒
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