食べたり読んだり笑ったり

小さな頃から、完全に扉を閉じないのです。

部屋と部屋との境目のドア、押入れのふすま、ベランダの窓。
閉じるのですが、閉じる前に、ちょっと力を抜いてしまう。隙間を開けてしまう。考え直して、完全に閉じることもあります。少しだけ力を添えて、すっと閉じる。

家人も完全には閉じないのです。風が通るので気づきます。カーテンが揺れるので気づきます。寒いので、そっと封じます。

精霊とか妖怪とか、もしもいるのなら、我が家は居心地いいと思います。姿を消していても鼻づらでばたんとドアが閉まることはないよ。


僕僕先生

僕僕先生　仁木英之　新潮社

お友達にすすめられて読んでみました。中国唐代を舞台にした仙人少女先生とのんびりモラトリウム青年のお話。ラストシーン好きだったなあ。

すすめてくれた友人はこの本大絶賛だったのですが、たぶん彼は、僕僕先生に惚れちゃったんだと思います。
すごーい年経てるので落ち着いてるところ、謎めいているところもあるし、見た目のままのお茶目で無邪気な少女であるし、甘えん坊になったり、男をからかう余裕を見せたり、気迫が強くて体が軽くて、いい匂いがして寝顔があどけないときたらね。
なんとなく、彼の年上の奥様と似た雰囲気がするのです。