食べたり読んだり笑ったり

Dive！！

Dive!!　森絵都　角川書店

野球の本が読みたいなあ、ガッと気分が浮上する、野球の本が読みたいなあ。
ぐるんっと図書館をまわって、手にしっくり収まってくれそうな本が見つからなくて、迷ったところにこの本がありました。
「Dive!!」

飛込みの話だって知っていました。少年たちの話。読みたいな、と、思って、でも4巻だと途中で読めなくなっちゃうかもしれないな、と、手を出しかねていた話。今回みつけたのは、一巻本。いい感じの厚さ。重さ。最初から最後まで、つとんと突きぬけそうな、今日は日曜日。

根性根性いわないスポ根本で、からんと明るい瞬間や、きらんと光る瞬間が、さくっと書いてあるのが、読んでいて気持ちよかった。主人公みんな、天才君だし。
無垢で未完成な14歳・知季、伝説のダイバーの血を引く荒海の野生児・飛沫、両親がオリンピック飛込選手だったサラブレット要一。（俺は馬じゃねえ。と、要一は言う。

知季すごーい。ダイヤモンドの瞳にのめりこみつつ、飛沫、要一の応援もしていました。
要一は、飛込王子って呼ばれてそうだわー、とか。呼ばれて、本人もたぶん、まんざらではないだろうとか。

一瞬のために、毎日はこつこつと積み上げられている。一瞬が輝く一握りの人たちに、その瞬間が永遠のものでありますように。
凡人の祈りが響きますように。