カテゴリ:カテゴリ未分類
蒲生邸事件 蒲生邸事件 宮部みゆき 文春文庫 ああ、時期だなあ、季節だなあ、と、探して再読です。 再読なので、小説としては冷静に読めたので、頭はふらふら、この小説の題材である2・26事件へ飛びました。 いや、時期から気になって読んだってことは、最初から、2・26事件のことが考えたかったのかしらん。 本当は、小説ではなく、歴史の本に当たった方がよいのでしょうけど、小説を重ねて読んでいく方が読みやすくって、らくちんなので。 2・26事件の起こった東京の4日間。雪が降って、つもって、溶けて、泥がぬかるむまでの間。 2・26事件とは、何だったのか。何のために起こしたのか。失敗だったのか、成功だったのか。人は死に過ぎた。けれど後にもっとたくさんの人が死んだのは、この事件がきっかけだったのか。 なぜ、太平洋戦争の話をするとき、この事件が大きく語られるのか。 雪の朝、青年将校は決起して、大臣を殺した。その後彼らは鎮圧され、断罪された。クーデターは失敗。彼らのクーデターとしては失敗。けれど、その後、軍閥政治は開始される。 (青年将校たちは、自分たちが直接政権を取りたかったわけではない、と理解していいのかしら。だから軍閥政治は、彼らの望んだものではないのかしら。皇道派、統制派、ということはあるにしても。 彼らは戦争を望んだからクーデターを起こしたわけではないようなのに、なぜ、クーデターを起こしたことが、戦争へと突っ走るきっかけになったのかしら。『暴力』というものはそれ程の破壊を秘めたものなのか。) 歴史は、それを知る関係者がすべて死に絶えたときに、はっきりと形を現すのかもしれない。昭和史はまだ近すぎて、物語は、沈黙している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年02月21日 23時07分27秒
コメント(0) | コメントを書く |
|