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草祭 恒川光太郎 新潮社 幻想的な小説なんだけど、すごく感覚的なんだけど、じとっとしていない感じが好きです。 私の知っている過去に似た話。 田んぼと団地の間の細い土の道を渡っていくと、知らない野原に出るんじゃないかと思ってた。 れんげの匂いのする道で、くらり目眩がしたあとは、時間軸が狂った気がした。 空は真っ青。 どこまでも高い。 声が遠くに聞こえて、誰ともすれ違わない。 蜘蛛の糸が光って飛んでいく。 その町で、育った。中学生になって、高校生になった。 私はずっとここにいるのに、いつの間にか、町の方が、変わった。 短い小説がどこか絡まりあって五つ続きます。 「屋根猩猩」と「天化の宿」が特に好き。 「屋根猩猩」はほんとに良くて、響いてきた。「天化の宿」はすごく素直な小説だと思った。恒川らしくない、と、思ったくらい。だけどこの話、いいな。一連の話の中に、こんな話が混ざるのがいい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年05月15日 16時52分34秒
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