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人魚は空に還る 三木笙子 東京創元社 おんなのこ向き。 萌えを感じる本が読みたいな(身も蓋もない表現ですが)、と、図書館ぽやぽや回っているとみつけました。 時は明治。天才美貌青年絵師と、駆けだし朴訥ジャーナリスト(実は大物)のコンビが帝都に潜む夢と謎をときほぐす。うん、「解く」だけじゃなくて、「ほぐす」がついてくる雰囲気です。全体的にやさしい、悪意のない物語。 「高飛車なワトソンと腰の低いホームズ」って表現が出てきたり、最後の話には「怪盗ロータス」が出てきたり、帝都のお話ですが、乱歩的ではなく、清潔に明るい感じがしました。 窓の広い小学校の図書室、木製の本棚の匂い。 釣りスカートの女の子が夢中になったホームズやルパンがくれた夢を、さあ楽しんでこんな形に作りました。そんな書き手の楽しさみたいなのが伝わってきて、読んでいても、わくわく遊ぶ感じ。 少女マンガの「少年はその時群青の風を見たか?」(酒井美詠子)を連想しました。これは寄宿舎で一緒に暮らしている同級生のホームズ、ルパンのお話なのです。ずいぶん前に出た本だけど、この二人、仲良しで仲悪くてかわいかったのだ。萌えーって感じでした。 やっぱりホームズとルパンはすごいね。永遠に乙女の夢をかきたてるね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年05月16日 11時05分22秒
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