カテゴリ:カテゴリ未分類
桜庭一樹読書日記を読んでます。
ウォルター・デ・ラ・メアの「謎」の紹介がありました。 おばあさんの家に行った7人の孫が、屋根裏のナラの木の箱の中に入るたびに消えていく…… 話。 児童文学です。 こどものころ、二段ベッドの下で読みました。 箱の中で読んでいるような気がして怖かった。 おもしろい話じゃないのに、ぼぼーんと怖くて、忘れがたかった。 作者名もタイトルも覚えていなかったのに。 屋根裏だったか、物置だったかにおいてある、古い木の細長い大きな箱。棺みたいな。 触っちゃだめ。 近づいたらだめよ。 言われていても、こどもたちは、近づく。 好奇心だったり、うっかりだったり。 かくれんぼに夢中になって、その箱に隠れて、2度と出てこなかったり。 孫がひとりづつ消えていくのに、おばあさんも、その兄弟も淡淡としていて、それがすごく不思議だった。寝る前にボンボンをもらいに行く子が一人づつ減っていくのに、おばあさんは何も言わない。 最後の子が箱の中で眠るとき、話は終わる。 変に透き通る話、きっと彼女は水色の、裾がゆれるネグリジェを着ていたの。 消えて行く話なのにいつまでも残るのはなぜだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月08日 06時33分00秒
コメント(0) | コメントを書く |
|