カテゴリ:読書日記
【送料無料】はるひのの、はる [ 加納朋子 ] おかえりなさい、加納さん。 「モノレールねこ」くらいから、「おかあさん」ぽくなくなったなあと思っていました。ひさしぶりに「文学少女」が「作家」になった加納朋子の書いた「小説」を読んだ気がします。 さやさんがクリーンなまま、たくましくたおやかな母になっていて、ユウスケがやさしい男の子として育っていて、穏やかな気持ちでのんびりと本を読むことができました。 あこがれはたくさん。 野の草を摘んで食べること。 白い服の人を恨まない幽霊と出会うこと。 バスに乗って彼岸に渡ること。 夏の肝試し。 薬草を入れる四角い革鞄。 冬の早朝散歩。鷹と一緒に。 しあわせの肯定のようなものを感じました。生まれて、成長して、恋をして、結婚して、子をなすことが、当たり前のしあわせなんだと包み込むような。 このお話の中で悩んだり苦しんだりしている人は、その当たり前から弾き出された人たちです。 その人たちもまた包まれて、物語の中、しあわせな生活に回帰します。 やわらかいやわらかい、残酷な話です。 どんな境遇の人にでも、はるひのはただそこに在るのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年02月16日 10時00分24秒
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