190279 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

食べたり読んだり笑ったり

食べたり読んだり笑ったり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2014年06月29日
XML
カテゴリ:読書日記

【楽天ブックスならいつでも送料無料】【6/30 9:59まで!ポイント2倍】冬虫夏草 [ 梨木香歩 ]

冬虫夏草 梨木香歩 新潮社

これは供養の物語、と、感じました。
綿貫くんの旅の物語。

「家守綺譚」は綿貫学士が疎水辺の、旧友の旧宅に佇んで、時が旅ゆく物語でしたが、「冬虫夏草」は綿貫くん自身がゴローを探す旅に出ます。作品内の時間はあまり動きません。

ひと時の中を、綿貫学士が歩いていく。

失われつつあるもの、失われたもの、失われたかもしれないもの、失うことが定められた先。
綿貫学士は喪失の前を確かめながら、一歩一歩を歩くのです。

供養、というのは、不思議な漢字。
ともにやしなう、と書くのですね。
生きる時間を供に養うから、喪失はあっても滅却はない。

ゆらゆらと揺れる草、今日開く花、あした吹く風、暮らし。
暮らしは続かないけれど、変化は続いて、時は流れて、境界は在り続ける。境界は超えられるけど、越えられないもの、右手で触れるかもしれないけど、いつもそこにあるとは限らないもの。

生も死も誕生も喪失も、姿形を変じるだけだと、冬は虫の姿して、夏は草の姿して。
なんと自然は怖ろしい。そしてわたしも自然の一部。

今日も時は流れていきます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014年06月29日 09時27分58秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書日記] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

とおり・ゆう

とおり・ゆう

カテゴリ

お気に入りブログ

Dollparasol ALABASTROさん
文章で飯を食う tuitelさん
陽だまりのなかで hikaru6600さん
 もくれん草紙 もくれん天使さん
☆乙女心にずきん☆ 紅ずきんさん

コメント新着

背番号のないエース0829@ 松谷みよ子 「私のアンネ = フランク」に、上記の内…
とおり・ゆう@ Re[1]:理想の図書館(09/12) ぱぐら2さん おはようございます、お久…
ぱぐら2@ Re:理想の図書館(09/12) こんにちは。本当にご無沙汰しています。 …
とおり・ゆう@ Re[1]:見なかったことにする。(11/17) 淀五郎☆DXさん おはようございます、おひ…
淀五郎☆DX@ Re:見なかったことにする。(11/17) あ、とおりさんのところと記事タイトルが…

バックナンバー

2024年09月
2024年08月
2024年07月
2024年06月
2024年05月
2024年04月
2024年03月

フリーページ


© Rakuten Group, Inc.
X