耳をすませば 柊あおい
スタジオジブリの映画にもなりましたが、りぼんマスコットコミックスのこの原作も大好きです。
実はリアルタイムにりぼんに連載されたのも読んでいます。当時から大好きでした。本の好きな女の子の話、すこし変わり者って言われてしまう女の子の話、それでも愛されるクラスに一人はいた女の子の話。
私にとってはすごくリアルな話で連載当時、すごくわくわくしたのですが、そのリアルすぎるところが夢と恋と背伸びの「りぼん」にそぐわなかったのでしょう、連載打ち切りを感じさせる駆け足の最終回があっという間に訪れました。
あと三回、連載が続いたらこの漫画はもっと名作になれたのに。今読んでも悔しいです。
柊あおいは空の書き方の上手な漫画家だと思います。プールの後の雲の形や友達と三叉路で別れた後の赤とんぼ。そんなところが宮崎駿の目に止まったのかなと感じます。
宮崎監督はいかにも少女漫画だった原作をアレンジして、メインのキャラクターに生きる夢を持たせて映画にしたんだって、映画のパンフレットにありました。
漠然とした夢を形としてつかむことができず、嫌になるくらい自分の力のないことを持て余していた私たち姉妹は、そのインタビューに悔しがったもんです。妹がちょうど雫ちゃんくらいだったっけ。
映画と原作はすごく似ているけど別なものです。大人になった今見たらそんなに違うと思わないんですが。
ところで私は月島雫みたいな中学生だったんだよーと、知人の家にビデオ持ってって一緒に見たことがります。見終わってしみじみ、「君じゃないねえ」って。
失礼だわ。