徳島県三好市 『祖谷渓の小便小僧』
祖谷渓の断崖の上に立つ、小便小僧の像。
祖谷は岐阜県の白川郷、宮崎県の椎葉村と共に「日本三大秘境」の一つに数えられている。祖谷川沿いの断崖には、祖谷街道の開設工事で残った岩が多数突き出ており、その岩のうち、小便岩と呼ばれる断崖に小便小僧が立っている。
この小便小僧は、街道中一番の難所と言われる七曲にあり、谷底まで200mの高さがある岩の上に立っている。その昔、周辺に住んでいた子供達や通りかかった旅人たちが、度胸試しにこの岩の上に乗ったり、飛び跳ねたりしたという逸話から作られたもので、1968年(昭和43年)に徳島県の彫刻家、河崎良行氏が制作した。
様々な角度から見た小便小僧。深い緑の渓谷の高い断崖の上に、一人ぽつんと小便小僧が立っている不思議な光景。小便はもう出し切ってしまったようだ。
小便小僧のすぐ近くに立てられている剣山国定公園の立て札。
小便小僧が立っている岩。小銭が沢山投げてあった。
小便小僧が望んでいる、高さ200mの谷底。高所恐怖症の人なら1秒も見ていられないほど高い。昔の人達はこれだけの高さがある断崖の上で度胸試しをしていたというんだから、相当肝が据わっていたことがうかがえる。24時間365日ずっとここに立ち続ける小便小僧はそれ以上の勇者であることは言うまでもない。
祖谷渓の小便小僧に向かう途中で見られる、通称「ひの字渓谷」と呼ばれる渓谷。深く切り込んだV字型の渓谷で、山と山の間を縫うように、谷底をエメラルドグリーンの祖谷川が流れている。訪れたときは新緑の山肌が綺麗だった。秋になると紅葉が美しいようだ。
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