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2023.10.04
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カテゴリ:島根県
素盞嗚尊と稲田姫にまつわる伝説が残り、縁結びの神社として信仰されている神社。板絵著色神像(本殿板壁画)3面が重要文化財に指定されている。

御祭神は素盞嗚尊(スサノオノミコト)、稲田姫命(イナダヒメノミコト)、大己貴命(オオアナムチノミコト、大国主命)、青幡佐久佐日古命(アオハタサクサヒコノミコト、八重垣神社宮司の先祖)。素盞嗚尊と稲田姫命がこの地で結ばれたという伝説が残り、また大己貴命は縁結びの神様として知られ、縁結び、恋愛成就、子孫繁栄、安産、夫婦円満の御利益がある。

素盞嗚尊と稲田姫命の、八岐大蛇退治にまつわる伝説が残る神社として知られる。高天原から斐の川上に降り立った素盞嗚尊は老夫婦(脚摩乳命、手摩乳命)とその娘の稲田姫命が泣いている様子を見て、訳を聞き、八岐大蛇を退治することを決意。その際、素盞嗚尊は佐久佐女の森に大杉を中心に八重垣をお造りになり、そこに稲田姫命をお隠しになったという。素盞嗚尊が八岐大蛇を退治した後、「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」と喜びの歌をうたい、老夫婦の許しを得て結ばれ、この地にお宮を造ったのが始まりと言われている。1872年(明治5年)に境内社の佐久佐神社を合祀して佐久佐神社と称し、1878年(明治11年)に八重垣神社に改称して現在に至る。

同県の出雲大社と共に縁結び、恋愛成就のパワースポットとして知られ、境内には縁結びにまつわるスポットが見られる。中でも、奥の院の鏡の池で占い用紙を浮かべてその上に硬貨を乗せ、紙が沈む早さやどこに流れていくかで縁を占う「鏡の池の縁占い(恋占い)」が有名。

毎年10月20日に例祭が行われ、12月15日に新嘗祭・還幸祭が行われている。また、5月3日には素盞嗚尊が八岐大蛇を退治する際に、稲田姫命をお隠しになられたという社伝にちなんで行われる身隠神事があり、本殿から奥の院の夫婦杉に向かって神輿による神幸三列が行われる。


境外にある夫婦椿。連理玉椿とも呼ばれ、昔稲田姫命が二本の椿の枝をお立てになられ、それが芽を吹き出して一心同体の椿になったんだとか。愛の象徴と言われている他、東京資生堂がこの木を神聖視し、発展を遂げたことから、美容調整の御神徳があるそう。


木造の鳥居。


手水舎。


随神門。




狛犬。出雲構え型と呼ばれる特殊な構え方をしたもので、松江市神宍道町で産出された来待石を使って造られた。


社務所、神札授与所。縁結びの御守や御札、神札などがあり、鏡の池の縁占いに使う用紙もここでもらえる(一枚100円)。




拝殿。1964年(昭和39年)に再建されたもの。




本殿。江戸中期に再建。


参集殿。


宝物収蔵庫。893年(寛平5年)に宮廷画家の巨勢金岡が描いた、板絵著色神像(本殿板壁画)3面が保存・公開されている。神社建築史上例のない貴重な壁画とされ、国の重要文化財に指定されている。拝観料は中学生以上200円、小学生100円、幼児以下は無料。


三日月の彫られた石灯籠。


山神神社。八重垣神社の末社で、明治時代頃に境内に遷された。山、農耕の守護神、夫婦和合の他に、安産、子宝、下半身の病に霊験があり、お社の左手には手作りの男根が供えられている。


水の神様を祀り、稲荷神社の倉稲魂命も併せ祀る貴布禰神社と、手摩乳命(稲田姫命の母神)を祀る手摩乳神社。


脚摩乳命(稲田姫命の父神)を祀る脚摩乳神社と、天照大御神を祀る伊勢宮。


社日社。農耕に関わる五柱の神様(天照大神、倉稲魂命、埴安姫命、少彦名命、大己貴命)を祀る。


山陰中央新報社が東宮殿下御結婚記念に建立した碑。


素盞嗚尊の歌碑。"八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣つくる その八重垣を"と記されている。八重垣神社の由来とされる和歌で、素盞嗚尊が八岐大蛇を退治して、須賀の地にて詠まれた日本最初の和歌ともいわれる。


松尾芭蕉の句碑。"和歌の跡 とふや出雲の 八重霞"と記されている。芭蕉が遠くからこの地に思いを寄せて詠んだ歌と言われている。


松平雪川公献碑。"木枯れや 神のみゆきの 山の跡"と記されている。松江藩七代藩主、松平治郷の弟である松平雪川公が詠んだ歌。


夫婦椿。乙女椿とも呼ばれている。境外にある連理玉椿が枯れても、境内には同じような二股の椿(夫婦椿)ができると伝えられており、奥の院の方にも同じように夫婦椿がある。少なくとも2回、あの椿の木が枯れたということなのだろうか?


奥の院の夫婦椿。子宝椿とも呼ばれている。


奥の院、古くは佐久佐女の森と呼ばれた場所へ。素盞嗚尊が八岐大蛇を退治する際に、稲田姫命をお隠しになったと伝えられるところで、緑に包まれた森の中には夫婦杉と呼ばれる2本の杉の巨樹がある。


松江の俳人として知られる前田圭史の碑。"笹鳴や 縁占ひの 神の池"と記されている。


前田圭史の妻の碑。"そうこうの 妻に悔いなき 初鏡"と記されている。裏面に昭和四十九年金婚記念と記されており、その時に建立されたものといわれる。




鏡の池。稲田姫命が佐久佐女の森(奥の院)にお隠れになられた際に、水を飲料水とし、水面に姿を写され美容調整されたと伝えられ、姿見の池とも呼ばれる。稲田姫命の御霊魂が深く浸透していることから、縁結び占いの池として信仰され、「鏡の池の縁占い」が行える。占い用紙に硬貨を乗せて水に浮かべ、用紙の沈む早さや沈む場所で縁を占うというもので、用紙が早く沈む(15分以内)と良縁が早く、遅く沈む(30分以上)と縁が遅いと言われ、また近くで沈むと身近な人と、遠くで沈むと遠方の人と結ばれると言われている。


天鏡神社。鏡の池を望む場所に鎮座しており、稲田姫命を祀る。



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最終更新日  2023.10.04 22:00:05
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