カテゴリ:てれび&えいが
いま、NHKスペシャル観てます。
今回のは1年前に放送されたもので、JRの事故の際、日本で初めて行われた「トリアージ」という被害者を救助する優先順位を判断方法についての再放送を観ています。 今回番組で中心にやっていたのは、トリアージの仕事に携わっていた医者や看護師や救急隊、そして被害者のことでした。 「大事故や災害の中で、1人でも多くの人の命を助ける」と言う考えのもとでトリアージは行われますが、基準としては、 1(赤)…すぐに処置を行わないと生命の危険がある 2(黄)…重傷でもすぐには生命の危険がなく赤の人が医療機関に運ばれるまで待たされる 3(緑)…緊急度は低いので赤、黄の後に処置をされる 0(黒)…助かる見込みはないので処置は行わない ということです。 (注;テレビを観ながらかいているのであやふやです) 1人の患者に与えられた判断の時間は30秒以内。 医者、場合によっては看護師や救急救命士が判断をすることがあるようです。 ある医師は、「赤」と「黄」のどちらの判断をしたらいいのかとても悩んだ、と言いました。 トリアージを行う際には、大事故であるがゆえに確実に命を助けられる人を優先するので「黒」と判断されると心肺蘇生を全く行わない、という決まりになっているので、ある意味見捨てることになる「黒」の判断をすることが辛かった、と言う看護師もいました。 トリアージに当たった医師や看護師に対するアンケートにもその重圧が伝わってくるようで、そのあまりの重圧でも仕事ができるように、ある医師が言ったように、感情に蓋をして仕事をしていた、というのもうなずけます。 一方トリアージを受けた立場の被害者にも、自分が優先的に処置してもらえてありがたかった、待たされて不満だったなど、当然のことながら色々な感情があります。 さらに黒タッグを付けられた被害者の遺族の中で、自分の家族が助けてもらえなかったことに納得しない人も当然いました。 新聞社から提供された写真には酸素マスクがつけられたこと、そして事故の混乱の中、家族についていた黒タッグには判断を行った医師の名前もなかったとなると、遺族は頭では「医療側はベストを尽くしたのだ、黒と判断されて仕方なかったのだ」と思っても感情ではなかなか納得できないのも無理もないでしょうね…。 もちろん医療側でも、遺族の感情に応えるために黒タッグに最低限書くべきことなどを検討しているようですが…。 そして、トリアージを行う際に「トリアージの空白地帯」ができていて医療処置にムラが生じたこと、救急と医療チームの連絡体制の不備(「空白地帯」では、付近の住民によって患者を搬送したそうです)、トリアージの考え方が一般市民に広まっているとは言えないので病院側も押し寄せる軽傷者の処置にも追われててんてこ舞い、という事態が起こってしまいました。 さらにトリアージを行った際の課題として、大量に出た赤タッグの患者同士の中で誰から処置をするのか、ということだそうです。 ある看護師は最優先に治療をして欲しいという意味である患者に赤タッグを付け、近くの学校のグラウンドまで運んでもらったのですが、運ばれた先には既に赤タッグの患者でいっぱい、救急のヘリコプターで病院に運ばれるまで2時間かかってしまったそうです。 幸いグラウンドに1人の医師が来て、その患者を最優先に処置するという判断となり命は助かったのですが、救急と医療の連携不足が浮き彫りになってしまったのですね。 しかも、トリアージされた後の処置の順番についても、まだまだ確立されていないと言う問題点もあるんですよね。 多くの助けられる命を確実に救いながら、数多くの課題を残したトリアージ。 誰もが納得する方法なんて不可能なのでしょうが、このトリアージを超えて、誰にも必要以上の負担をかけず、みんなが納得するような救助の仕方というのは、将来出てくるのかな、と、テレビを観ながら思っていました。 もっとも、トリアージをする機会なぞこなければ、一番いいことに決まっているのですが…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年04月14日 22時59分19秒
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