カテゴリ:思うことあって…
職場でやっていた救命講習会に参加しました。
職場の近くの消防署から現役の救急救命士さんが講師としてやってきて、心肺蘇生法や気道異物(ものをのどに詰まらせた)の時の対処法を実習中心に色々と教えていただきました。 で、太陽仮面、大学時代に同じような講習を受けたことがあるのですが…。 十数年の間に、心肺蘇生法のやり方って色々と変わっているものなんですね~。 主な変わったところは ・心肺蘇生法にAED(自動体外式除細動器)が加わった ・人工呼吸の時間が短くなった(回数は2回で変わらない) ・胸骨圧迫(いわゆる「心臓マッサージ」)の回数が多くなった(100回/分の速さで1サイクル30回) というところでしょうか。 あと、昔講習を受けたはずなのに、「へ~そうなんだ~」と今日初めて知ったことがいくつか。 ・心臓の位置は体の左側でなくほぼ中央(形が左側に傾いているので左側で鼓動を感じやすいように思える)。なので、体の中央にある胸骨を圧迫する。 ・胸骨圧迫は、体の中にある血液を循環させて(血液には、まだ酸素が残っているため)特に脳に酸素が行くようにするためのもの。 ・特に体重が軽く、力のない人(一般に女性)は、胸骨圧迫は自分が思う以上に力をかけてやってもよい(あまり力いっぱいやるのもいけませんが)。 ・患者の血液などによる病気の感染(どんな病気を持っているか分かりませんしねぇ)を防ぐために、患者の口に血液や吐瀉物がある場合、あるいはどうしても人工呼吸に抵抗がある場合は人工呼吸なしで、胸骨圧迫だけにしてもそれだけで蘇生率はやらない場合に比べて向上する。 ・気道に異物が詰まって取れない場合は、掃除機なんかで無理に吸い出さない(掃除機では異物より先に舌が吸い込まれてしまう)。意識のあるうちは声を掛けながら背中を叩いたりハイムリック法(みぞおちを圧迫させる)で異物を外に出す試み、意識を失ったら即胸骨圧迫をする。 ・患者が救助の手を払いのけるなど意識が戻るまでは、救急隊が到着するまで心肺蘇生を続けること。 そして、最近あちこちで見かけるけどやり方が意外と分からないAEDについても、「誤解していた~」なことだらけでした。 ・AEDは心室細動(心臓が痙攣して血液が循環されない)をとるだけで、心臓の動きを正常にするわけではない。意識が戻ったり、AEDで「(電気)ショックは不要」判定が出されるまで、必ず人工呼吸(省略可)および胸骨圧迫との併用が必要。 ・AEDは1歳未満の乳児には使えない(なお1歳以上8歳未満は小児用パッドを使用する)。 ・1番目の注意と重複するが電気ショックをかけた後も、意識が戻らない限りはすぐに人工呼吸&胸骨圧迫をする必要がある(もっとも、機械がショックをかけた後音声でアナウンスしてくれますが←でもうるさい場所だと聞こえないかも)。 ・意識が戻っても、AEDのパッドを患者の体から外したり電源を切らずに、救急隊が来るまで、いや救急隊が判断するまでは患者の様子を監視し続ける(特に持病が出た患者の場合、また心臓の様子がおかしくなることも十分ありうるので)。 ・風呂場やプールで倒れた時など、患者が濡れている場合は渇いたタオルで患者の胸を拭いてからAEDパッドを装着する(救助する人の感電防止のため)。同様に、雨などがかかる場所でAEDを使用することは避けた方がよい。 そして講師の方が特に強調されていたことは、 ・どうやっても誰も他に来ないならともかく、できるだけ複数で、できるだけ多くの人で心肺蘇生等を行うこと。胸骨圧迫は結構体力を使うので、疲れるとその効果は落ちる。その上、人間(大人)の体は結構重いので移動を行うときに多くの人がいると楽に安全に移動できること、大出血を伴っている時は1人で止血と心肺蘇生を行うことはとても困難なことからどうしても複数の人数で助けることが必要となる。 ・救急車が通報を受けてから現場に到着する時間は全国平均6分とのこと。この間に何もしないと蘇生率は大きく低下する(呼吸停止5分で25%くらい)。バイスタンダー(たまたま現場に居合わせた人)が蘇生を行うか行わないかで、蘇生率は大きく違ってくる(手元に資料がないので詳しくは分かりませんが、だいたい2倍くらい違ってきたような気がします)。 ちなみに、心肺蘇生のやり方がまずくて結局患者が助からなかったとしても、救助する人の法的責任は問われないようですので必ず何かやってくださいとのことです。 まぁ、今回講習を受けたからといって、実際人が倒れているのを見て実習通りにできるかどうかは分かりませんしましてや講師の方が望まれるように自分が現場に居合わせた時のリーダーとなって周りの人を動かせる自信はありませんが、少なくとも「自分でもいざという時人を助けられるかも知れない」という気持ちは持てたかな、と思います。 そして1人でも多く心肺蘇生等の知識(と、ちょっとした技術)を持つことで、さすがに阪神大震災級の災害では厳しいですがJR福知山線脱線事故の規模だったら、元気な人が1人でも多くの被害者のいのちを救うことができたなら、ちょっと前話したトリアージで1人でも黒タッグの人を減らすことができたなら(どんなにトリアージの制度が整備されても、救急や医療のチームが到達するのにはそれなりに時間がかかるでしょうしね)、素晴らしいことじゃないかな、と救急の素人の太陽仮面は妄想しています。 (でもしつこいようですがそんな機会がないことが一番なのは言うまでもありません) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年04月17日 22時57分07秒
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