テーマ:骨髄バンクのドナー体験(33)
カテゴリ:骨髄バンクドナー
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~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~ それまでそんなに重く考えていなかった「全身麻酔」について、この期に及んで急に不安が募ってきました。 主な不安内容は二つ。 「眠ったままにならないだろうか」 「手術の最中で目が覚めてしまったらどうしよう…」 不安の原因は何となく分かっていました。 「自分の意識が、痛みを感じなくなるまで、しかも人工呼吸が必要になるまで無くなることに対する不安」でした。 物心ついた頃から私は「自分の死に対する『その後どうなるのか分からない』怖さ」を感じ、「自分が肉体を持って、意識(心)を持った『人間である』存在というのが何となく心地悪くて、永遠に地上で起こってることを上から客観的に見下ろせるような存在ならいいのに」というような内容のことを高校生くらいまで毎日のように思っていました。 ですので、今回の全身麻酔で自分の肉体が自分のコントロールできない状態に置かれることがすごく不安だったのですね。 太陽仮面、普段仕事で「頭で『安全である』と理解すること」と「心で『安心していいこと』だと感じること」の間のギャップが人々にあるのを感じる場面に頻繁に出会うのですが、まさか自分自身が頭と心のギャップを強く強く感じるとは思いもしませんでしたね。 で、その不安が重く感じたので、思い切って小熊を駅から車で迎えに行った帰り、彼に全身麻酔に対する不安を打ち明けたんですね。 小熊は、ただただ私の不安を「そうか、不安なんだなぁ」と受け止めてくれました。 それとともに「今回のことは自分で選んだんやろ~」と穏やかに言ってくれたことで、ふっと楽な気持ちになりました。 「そうなんだ、今回のことを私は自分で選んだんだなぁ」とね。 いくら怖くても、この時点でも全然骨髄提供をやめる気はありませんでしたし(この時点でやめたら患者さんにも大変なことになりますしねぇ)、そんな理由でやめて、一生に得られるかどうか分からないチャンスを棒に振るのが何よりもいやでしたし。 そうしたら、お互い一生知りあうことはないレシピエントさんが、人間として生きるために、まさに今地獄のような前処置を受けている場面がふっと浮かんだ時、「共に頑張ろう」という気になったんですね。 で、共に頑張るため、この日の前日から退院するまで大好きなお酒を飲まないことに決めていたので、いやでも自分の不安と対峙しなければならないこととなったのですが、今思えば、この時不安をお酒で紛らわさなかったからこそ、手術直前までも必要以上に緊張することがなかったのかも知れません。 そうやって、基本的にはのほほんとした気分で、入院を迎えるのです…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月16日 20時02分22秒
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