太陽仮面の日々

「会社で頑張って仕事片付けるわ。だから(明日)旅行行こう」

小熊がそう言って会社に出かけたので、私、腕によりをかけて3時間かけて弁当作りました。



もう、おかずの品数も素材の数も、いつもの晩ご飯でも休日でも作らないほどですわ。

で、いつでも小熊を迎えに行けるように夕方からお酒を断って…。

ボストンバッグに私のだけでなく小熊の着替えも入れて…。


カメラも充電OK、車の中で聴けるような曲をいろいろと選曲してiPodに入れて準備万端にしてました。


夜にはシャワーも浴びて、久し振りにスカートもはいて…。

おもろい曲に2人で笑いながら車の中を過ごして、目的地に着いたら小熊の行きたかったところに行って、帰りには渋滞に巻き込まれながらも、「楽しかった～」と帰ってくる…なんて妄想も抱いておりました。

あ～、上司に嫌みまで言われながら、明日明後日と年休を取った甲斐があった…。

いや～もう、私はウキウキ旅行モード一色でしたわよ。

…そして、深夜になって小熊から電話がかかってきました。












「仕事が終わりそうにないから、泊まりがけで仕事して、明日の夜遅く帰る。旅行行けんでごめん」











…もう、怒るより先に、脱力ですわ。

旅行にまた行けなくなることががっかり、というより小熊の言葉を信じて裏切られた私がアホでした。

行けなくなるほどの大量の仕事量なのは、小熊のせいでもないからこちらも諦めがつく。
緊急の仕事でのドタキャン(小熊の仕事には、時々あり得る)も、そちらの対処が大事だから快くそちらに専念させてあげられる。

それより、大人なんだから簡単に旅行の約束をして簡単に(しかも2回も)ドタキャンするなよ…という呆れた気持ちが、私の心の中を支配しているのでした。

土曜日の午後からあらためて行こう、と小熊言いましたが、もう、その言葉なんて信じない。

今、夫が定年以後、
・「旅行は夫よりも友達と行きたい」妻
・今まで家庭を顧みなかった夫にまとわりつかれて「濡れ落ち葉」のように鬱陶しくなる妻
・「卒婚」をしたい妻
・夫を亡くした後イキイキする妻
の気持ちが、何となく分かるような気がしました。

これからは、小熊は医者か消防士だと思って、私は私の好きなことをして生活することにしますわ。

あー、明日は1人で多すぎる弁当抱えて(お昼に小熊呼び出して弁当食べさせるのもいいけど、奴は好きな時間にご飯食べたいタイプなので断られるだろうし)、どこかに行って、夜は空手のM特訓に行くぞと、再び酒浸りになった頭で太陽仮面は思うのでした。