テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:読んだ本
きっかけは忘れましたがふとしたことで太陽仮面、小学生の時課題図書になっていたこの本を思い出しました。
「先天性胆道閉鎖症」という、当時は不治の病を持って生まれてきた「さと子」という女の子が、自分の入院生活(ほとんど病院にいたので)を日々綴った日記を本にしたものだったと思います。 太陽仮面は今となってはその本の内容で覚えているのは ・発育が遅れていたため、小学校入学が1年遅れたこと ・病院に問題児がいてその子が何かにつけ大騒ぎしていたこと ・弟か妹の行っている学校に行ったものの、黄疸がひどくてじろじろ見られたこと ・さと子は14歳4ヶ月で生涯を閉じたこと くらいだったと思います(詳細はWikipediaにあり)。 その後、胆道の手術法の進歩やさと子の時代にはなかった「生体肝移植」を始めとした肝移植をすることにより、多くの子供たちが一生その病気と付き合うことになりながらも健康な子供に近い生活ができるようになったわけですね。 もっとも、今でもやはり難病であることには変わりなく、「完治」することはないし死亡率も依然高い病気である、とのことです。 胆道を広げる外科手術(葛西式)は生後60日以前にやらないといけなく、しかもこれだけでは日常生活ができるのは難しいとのこと。 そして生体肝移植をはじめとした移植手術もいろいろな問題をはらんでいるのですね。 日本では15歳未満の脳死からの臓器移植は認められておらず、外国に行ってその国の同じ病気の子を後回しにしてやらないといけないという問題があります。 仮に日本で認められたとしても「他の子の死を当てにする」その方法が適切かどうか、というと大人の脳死に対しての(感情的な)認識さえまだ十分であるとは言えない国でいざ我が子が死んだ時、簡単に他の子に「臓器を差し上げます」と臓器移植ができるのだろうか、と思うんですね。 「本人が死後の臓器移植を望み、自分の家族が脳死と判断されたら納得できる」と大多数の国民が出来ない限り脳死からの移植はきわめて困難でしょうね。 一方生体肝移植は、というと身内間でやることが主なので骨髄バンクの骨髄ドナーに対するようにしつこく提供の本気度を問うこともなく、おまけにドナーに対する健康の考慮も補償も不十分で、ひどいケースでは4分の3もの肝臓を切り取られ死ぬこともあるそうです※。 ドナーが生き残ってもある女性が肝硬変の夫に「肝臓を提供しろ」と夫の一族にもいわれ、肝臓を提供したものの提供した後の体調が悪くなり、提供された夫は自分が回復した途端、妻を捨てたという話もありますしねぇ。 というわけでこの病気が治ることはまだまだ先になりそうですが、他の難病と同じく世界中の研究者が研究を日々重ねているでしょうから、それができないし誰かの研究を助けるほどのお金もない私はただただ、他の誰をも傷つけることなく病気が治る方法が確率せんことを祈るばかりなのでありました。 ※もちろん、全部の医療機関がそうであるわけでなく、大部分は医師や看護師などがドナーにもベストを尽くしてケアをしていると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年03月13日 19時18分41秒
コメント(0) | コメントを書く
[読んだ本] カテゴリの最新記事
|
|