如意宝珠を求めて、、、
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短歌869
俳句20
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さみどりのセミへと羽化する一部始終見届けし子の首の蚊の跡
2014年08月09日
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帰宅する娘の無言や部屋に入る犬の尻尾のとまどいて悲し
びりっけつに捧げる合唱「ガンバレー」ゴールと同時にぴたりと止みぬ
建売の居並ぶ新興住宅地旧の地主か桑の実の熟れ
盆休み西日まぶしきお地蔵に日日草が供えてあります
夜祭の妖怪メダルせがむ子に財布広げて見せやる嫁はん
ばたばたと音立て泳ぐ鯉のぼり父母の家は風の丘なり
2014年05月10日
背伸びして下ろす両手の時間の差右手の記憶左手の記憶
2014年04月12日
いない子の靴干してあり庭の隅ぽつりぽつりと桜しべ降る
欠伸して立ち上がる犬に促されおんなおみなのではまたの声
カーナビの知らぬ飛び地をややこ背負う媼の指差す川向うかな
家鍵を持たぬ老女の着膨れて冬の図書館ソファに目を閉づ
2014年02月12日
シベリアの凍土と子の言う日陰庭咲かぬを楽しむ紅い蕾よ
夜のなぜにさびしいんだろう成犬の顔低くして布団にもぐり来
子や孫の帰りし後の正月の雪の田んぼのどこまでも白く
2014年01月12日
池の底半眼で眠る亀のため薄氷を割るどんど焼の朝
老い犬となりせば昼も夜もなく鳴きやまぬ子をとんとんとあやす
薄雪や老樹の洞の木の仏今朝は蜜柑の供えてありき
花守となりたや春よ来ておくれ窓辺の椅子に着膨れて伯母
表札の墨のかすれや寒椿インターホンは押さずに戻る
祖母の背で母の帰りを待つ赤子泣き疲れてか足のぬくもる
2013年11月10日
山峡の石の祠や寛永銭ぬかずく人のはるかなるかな
蔵の米盗みたる村の者の名を祖父は語らず母もまた聞かず
からからと笑い酒飲む叔父の居て吾も楽しく生きていけそな
赤き実を空に残してななかまどひいよひいよの日暮れせわしく
どんぐりを踏む感触足裏の覚えておれど父あらぬ秋
経に代え歌を歌えり坊さんは幼く逝きて秋の乾かず
2013年10月10日
平日は餌進ぜよう捨て猫よ土日旗日は良きに計らえ
2013年09月11日
暗き灯に祖母の廻せし糸車書棚の上木像のごと
東京と神奈川と千葉の雨しずく傘立てに会う香華しずかに
池に棲む亀も朝夕動かずばようよう夏も終わりなるらし
帰り際叔母上くれしビニールの南瓜二玉ゆびにくいこみ
深更の玄関そと開け入れば二階より犬転げ落ちて来
親戚の宴となりし盆の夜は考の笑いも混じりて聞こゆ
2013年08月12日
叢に光るは蛍か蛇の目と花火の夜の畦道を走る
川石の丸きまんまの墓印吾が祖先は丸き石それだけ
坂道はきつうてたまらん籐椅子にもたれて叔父は海坂を見ゆ
ベランダに洗い干したるマラソン靴蝉のとまりて夏折り返す
叔父伯母の帰りてひぐらしかなかなと八畳の茣蓙ひとり我居る
若楓夕べの雨をたくわえて朝に飛びだす子の肩濡らしむ
2013年05月12日
脱糞を見られる事の情けなさ上目遣いに飼われるを知る
春の雨遭いしはたしか那須あたりリアウインドー桜の花びら
咲き終えて地に伏してまた立ち上がり蒲公英白く風に背伸びす
朝露にまみれて重き草を背負いべーべーと鳴く牛の飼い葉に
つぐみ来てつぐみ歩きでえささがしだるまさんころんだはいポーズ
2013年04月11日
店先でもよおす犬をひきずりて森へと急ぐ雨あがりかな
2013年04月10日
道端に影置き去りに鴉発ち人の過ぐるを電線で揺れ
春の闇照らす白梅花過ぎてたちまち夜の枯れ木になりぬ
日暮るるも石垣のまだ温もりて冷たき頬を当てていたころ
2013年03月10日
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果てしない麦踏のごとく三森の峠上れば青き水海