やす、すもぐり、すがけ、鮎獲り、そして竹とんぼ作り
「やす」…「すもぐり」…「すがけ」…「瓶つけ」…「かがしら」をとばす…自転車のスポークを尖らせて、竹とゴムで水中銃を作って「すもぐり」で魚を突いたり…あの素早い鮎を突いたときには、嬉しかったこと…もう、半世紀にはなろうかと思えるほど昔のことです。中学生の一級河川での夏の実用な遊びの一端です。「今では到底考えられないほどの危険な遊び…」とでもいうのでしょうか。小遣いなどもらえないころの、鉛筆を削るための肥後ナイフをいろんなシチュエーションで使いこなすすべを友達から友達へと伝承する子供の智恵だったのでしょうか。そういえば、冬の雪深い季節には、竹で編んだ小さなすだれ状のものを使って、稲穂をぶら下げて、雀が稲穂を突っついたらすだれが両端のこれも竹製の柱丈の吊り具からはずれて、土に掘った穴の中に閉じ込められる…という仕掛けを作って雀を捕獲して遊んだりもしていた。これも、肥後ナイフと凧糸を使って全部、自分で作っていたものである。「ポンコツ」…でもなく、「とんこつ」…でもなく、なんとかこつ…と呼んでいたような気がする。他にも、「水鉄砲」はもとより、「紙鉄砲」、「くす玉鉄砲」、「杉鉄砲」などの遊び道具もぜえ~んぶ、自分で作ってあそんでいた。「紙鉄砲」というのは、新聞紙をちぎって口の中で噛んで丸めて竹の筒に押し込んで竹鉄砲の弾にして飛ばす遊びである。紙の弾丸の一個は常に一個は竹筒の先端にあって、二個目の弾丸を詰め込んで心棒の竹で押し込んで二つの紙の弾丸の間の空気を圧縮して、先端の弾丸を飛ばす鉄砲である。口の中で噛んで作る紙の弾丸は、大きすぎると竹の筒に入らないし、小さすぎると、二つの弾丸の間の空気が圧縮の圧力が弱すぎて、弾丸が遠くに飛ばない。素早く正確な弾丸作りが、遊びのポイントであった。口から食べて、お尻からウンチを出す、人間や動物の体を思い出す遊びですね。食べ物は、多からず、少なからず。。。でしょうか(笑)「くす玉鉄砲」とは、弾丸5~6ミリくらいの野草の青い実のくす玉を使う・・・「杉鉄砲」は弾丸に、杉の実を使う…杉花粉症などということばなどはなかった。これらの竹鉄砲は、筒にも弾丸を押し出す心棒にもまん丸い「おなごだけ」を使わないと二つの弾丸の間の空気が漏れてしまう。「竹とんぼ」などは、心棒を飛ばさず「羽根だけを飛ばすヤツを」作っていた。心棒の先は長方形の板丈にして、さらにその両側の先端には、飛ばす羽をはめ込むために細くて丸い状態に削っておく。羽根は、左右ねじれた形に削って、真ん中には、心棒にはめ込む二つの小さな穴を開ける。右利きの子と左利きの子では、羽根のねじれ方を逆に作る。飛ばすときには、心棒を両手で挟んで左右に回転させながら、ころあいを見計らって両手を押し上げてすかさず両手に挟んだ心棒を下に引いて、羽根を宙に浮かせて飛ばす。このタイプの竹とんぼは、羽根に開けた二つの穴と、心棒の先端の羽根をはめ込む二本の丸い部分の穴との噛み合いと、はねの左右のねじれ方が、飛ばすための重要なポイントである。心棒と羽根をのり等で固定して、一緒に飛ばすタイプもあるようだが、それは、つい最近になって知った。飛ばして遊ぶだけのためなら、これでも面白いだろうが、簡単すぎて作る楽しみと工夫は少ないように思える。※ ※ ※ ※ ※危険な道具でも、怪我せずに、安全に使いこなしていたことも、美しい清流や山野の環境が保全されていことの一端かとも思える昨今である。よろしければ『ポチーッ』とお願いします。