子供の頃の楽しい記憶…自転車の横乗り
子供の頃の楽しい記憶は、お金をかけた遊びや旅行ばかりであるとは限らない。素朴な中に両親や人々の真心が感じられるものとか、少々危険でも友だち同士で助け合いながら危険を避けて完成させる遊びの喜びなどはとくに素晴らしいものである。子供の頃には今と違って子供用の自転車なんぞなかったので、男用自転車を横乗りしていたものだ。サドルにお尻を乗せるとペダルには足が全く届かないものだから、サドルとハンドルを接いでいる上管(横棒)の下から片方の足を出して向こう側のペダルを漕いで、乗っていた。身体を斜めにして自転車を漕ぐのである。勿論自転車も反対側に斜めになって、乗り手と自転車がVの字の形にしてバランスをとりながら自転車を漕いで乗っていたものである。男の子も女の子も・・・である。この乗り方を横乗りと呼んでいた。こうやって、子供たちの誰もが、友達に後ろから押してもらいながら、いきなり大人の自転車の横乗りに挑戦していたのだった。上管(横棒)のサドル側を固定してあるボルトをハンドルをゆるめて下にスライド移動して固定し直して女性が乗りやすくした、(男女)兼用自転車が登場して、子供、特に女の子にも嬉しい乗りやすい自転車でもあった。そのころ、商人は、後輪には大きなタイヤが使われて荷物を沢山積める運搬車と呼ばれる自転車に自分の背丈よりも高く商品を積んで移動販売をしていた。乾物だけでなく、氷の中に埋めた生魚なども溶けた氷水を後輪から撒き散らしながら…