JOKE…こちら笑って健康放送局。俺が法律だ!#3
それを聞いた、血気盛んな医師であるリーダーは、思わず手を振り上げそうになっていた。その時である。滑落でもしたのだろうか、足を骨折した登山者が仲間に連れられて、一人、足の踏み場もない三俣蓮華小屋に運び込まれてきた。手を振り上げそうになっていたリーダーの内科医の医師や同行していた外科医や看護婦達が、三俣蓮華小屋の主に、『俺達は内科と外科の医者で彼女らは看護婦だ。今すぐ手当をするから、この小屋にある医療用具を全部、急いで持っいっ!』と大声で叫びながら、手当を開始した。三俣蓮華小屋の主も、それなりの応急手当の知識は持っているのだが、けんか相手が医師ともなれば、けんかをしている場合でもないので、医師の指示に従いながら、山小屋にある添え木をはじめとして治療に必要な用具をそろえ、更にその近くの登山客たちには、持っている懐中電池で患者の治療箇所等を照らすようになど、登山客たちにも協力を要請たり、麓の警察や病院に連絡したりなど、当然ではあるが、的確に指示や連絡をしていた。無事に医師たちによる応急手当てが終わると、けが人のパーテイは、慣れている山だったのか、担架に怪我人を運んで下山していった。※ ※ ※ ※ ※そのあと、三俣蓮華小屋の主は、我々大パーテイ一行が宿泊できるように、登山客全員に、横になって寝るように懇請してくれた。お陰で、われわれは、無事に、三俣蓮華小屋の中で一夜を過ごすことができたのであった。