値引き以外に必要なもの
ちょっと前になりますが、八塩圭子さんが、日経MJで小売店のセールについてのコラムを書いてましたので、その一部を引用します( 表現の一部はこちらで変更しています )「 消費者の立場で言わせていただければ、セール目当てでスーパーに行くよりも、スーパーに行ったら、たまたまセールをしていることが殆どです。毎日チラシをチェックしている暇などなく、通い慣れたスーパーで確実に無駄なく買い物できればそれで良いのです。もちろん、消費者全てが私のような購買行動であるはずがありません。しかし、専業主婦が減りつつある時代にあって、仕事以外の限られた時間を値引き商品の発掘に費やす人がどれだけいるのでしょうか。大きな買い物は別として、日々の食品や日用品はいつものスーパーに買いに行く習慣のほうが優先されるのではないでしょうか。むしろ、そこで効いてくるのは、価格以外の要素でしょうか。例えば、新鮮で美味しい魚が手に入るスーパー、トマトの種類がどこよりも豊富なスーパー、洒落た総菜が得意なスーパー、共通するのは得意分野が明確で何かが欲しいとなった時に必ず手に入るという安心感です。実は価格以外に、品揃え、売場作り、顧客サービスなど消費者を引きつける様々な要素があることを、そろそろ思い出す時ではないでしょうか 」( 日経MJ 2013 年5月3日 )読んでいて、思わずヒザを打ちました。売り手は“買い手は値引き情報を求めて消費行動している”という前提を持っているのでしょうが、そんな暇も余裕がない買い手が数多くいるという現実 ( 私もその一人です ) を考えれば、まず値引きセールという戦略は時代と合致していません。値引きは苦手だけど地域の拠点として活躍するのが得意なスーパーがあってもいいと思います。そんなスーパーは専業主婦から支持されないというのなら、専業主婦をターゲットなにしない店作りを考えてもいいと思います。夜から朝まで営業して昼は休む、安くはないけど働く人には優しい…そんなスーパーがあっても面白いのでは?