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テーマ:◆「気付く」喜び♪(225)
カテゴリ:前進
PM10:40 彼女は、電車を降りると、
遅めの夕食を求めて、いつものコンビニに入る。 鍵を開け、明かりを灯し、 テーブルの上に、ささやかなディナーを置いて、 ニュースキャスターの声を背に、洋服を着替える。 食事を済ませ、ベランダに出ると、 昨日とは違う、肌寒い空気を感じる。 昔は嫌だった、夜に洗濯物を干す事も、 今は何気ない日常になっている。 空を見上げながら、近くに見える故郷の星を思い出し、 日中は吸わない煙草に、火をつける。 戻りたいとは、思わない。 この場所を選んだのは、自分である。 彼女は、自分へ精一杯の強がりを言う。 そして、置いてきた日々に目を閉じ、 朝を迎え、身支度をして、駅への道のりを歩き出す。 手に届くほど近い星が、ここにある事を信じて。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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