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テーマ:史跡めぐり(508)
カテゴリ:城跡と史跡(台湾編)
台湾には「國父」や「中正」の名前が付された施設がよくありますが、「國父」は孫文で「中正」は蒋介石のことを指しています。
(蒋介石の本名が「中正」で、「介石」は字だそうです) その蒋介石が1975年に亡くなった後、哀悼の意を込めて建設されたのが中正紀念堂です。 中正紀念堂の正門。 高さが30mあり、台湾の国章である「青天白日」をモチーフとして、青と白の2色から成っています。 中正紀念堂は1976年に起工され、1978年3月31日に完成、蒋介石の命日である4月5日に一般公開されました。 敷地面積は25万平米と、桁違いの広さがあります。 広場では様々な催しが行われたり、太極拳が行われたりと、台北市民にはなじみやすい場所のようです。 中正紀念堂の建設は、3つのコンセプトに基づいて行われました。 (1)中国文化と精神の表現 (2)新鮮でかつ荘厳、また独創的な風格 (3)現代の建築技術を駆使し、経済的であり実用に富む建築物 そのコンセプトの下、敷地内には国立戯劇院と国家音楽庁の建物が並んでいます。 國立戯劇院。(オペラ・バレエ・ミュージカル上演に使われています) 國家音楽廳。(正式にはこの文字ですが、オーケストラのコンサートホールです) そして向かい合って並ぶ二つの建物の奥にあるのが、高さ70mもある中正紀念堂の本堂です。 八角形の屋根は、中国の八徳である「忠・孝・仁・愛・信・義・和・平」を表したものです。 台湾の道の名前もこの八徳に由来したものが多く、「忠孝」や「仁義」などの名前が付いています。 (ちなみに、「和」・「平」・「愛」が「礼」・「智」・「悌」に変わったものが、滝沢馬琴の南総里見八犬伝の八つの水晶です) また本堂の屋根は「人」の字が重なったように設計されており、これも「天人合一」の中国の思想を表したものです。 中正紀念堂の本堂へ登る階段は89段あり、これは蒋介石の享年89歳にちなんでいます。 その本堂の正面には、蒋介石の座像がありました。 ここは日本からのツアーにも入っているようで、本堂にいる人の大半が日本人でした。 (久々にたくさんの日本人を見た気がします) 蒋介石が中華民国の初代総統に就任したのが1948年、以後死去する1975年まで中華民国総統を務めており、台湾では誰もが認める英雄のような扱いかと思っていました。 (日本国内では様々な評価がありますが) この後訪れた「二・二・八和平公園」で本省人の方の話を聞く機会があり、その複雑な歴史評価を改めて知ることとなりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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