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カテゴリ:山登りと山歩き
紅葉でも見ようかと、蓑毛をスタートしてヤビツ峠~三ノ塔~鳥尾山~行者岳~塔ノ岳~大倉までの丹沢表尾根を縦走してきました。
累積標高差は登り1,593m・下り1,626mの計3,219mで、総歩行距離も19.1kmでした。 結果として垂直方向に3.2km、水平方向に19.1km歩いたことになるのですが、このコースを行くかどうか、条件を見ながら直前まで決めかねていました。 まずは天候、丹沢はとにかく景色がいいのですが、天候に恵まれなければ単に苦痛を味わっただけになってしまう恐れがあります。 天気予報を見ると絶好の条件で、体調(前日の呑み量)もまずまずの上、紅葉のチャンスも少ないことから、決行することにしました。 それでも最初に標高を稼いでおくに越したことはないので、スタート地点はヤビツ峠(標高761m)に決め、ヤビツ峠までは秦野駅からバスで移動することにしました。 秦野からヤビツ峠行きのバスは朝8時台に2本あるのですが、バス乗り場の前にはすでに長蛇の列が出来ており、ざっと見ても200人以上は並んでいました。 臨時便が出ても裁き切れないほどで、長蛇の列を残したまま、超満員のバスが2台出発してしまいました。 次のバスは30分後なので「ヤビツ峠にも行けないのでは?」と途方に暮れていると、途中の蓑毛行きのバスが入って来ました。 次のバスを待って超満員の中ヤビツ峠まで行くか、蓑毛からヤビツ峠まで歩くかの選択の中、結局超満員で1時間バスに乗ることよりも、1時間歩いて登ることに決め、蓑毛行きのバスに乗ることにしました。 案外蓑毛行きの方はガラガラで、いかにも丹沢通のマエストロみたいな人と話ができるほどの余裕がありました。 丹沢のマエストロとは私の勝手な命名ですが、 「バスを待っている人は、やっぱり皆さん大山に行くのでしょうか?」 「いや、塔ノ岳だよ」 見ただけで行き先がわかるとはさすがにマエストロですが、確かによく考えてみれば、大山に登るならば伊勢原方面からが王道だと思います。 それにしても塔ノ岳がそんなに人気コースとは思ってもいませんでした。 (後々奇妙な経験をすることに) ところで秦野からヤビツ峠に到る道の風景はデジャブなどではなく、確かに1ヶ月前に通っています。 城と山とは別だと思いながらも自分のバカさ加減にあきれつつ、意外にもあっさりと蓑毛に着きました。 蓑毛の標高は315m、ヤビツ峠までの標高差446mと歩行距離2.7kmが追加されました。 蓑毛からは春岳沢の沢沿いを行き、はるか前方にヤビツ峠から大山に続く尾根が見えています。 沢のせせらぎを間近に聞きながら、しばらくは沢沿いのコンクリート舗装道路を緩やかに登っていきました。 まさに快適な山歩きでしたが、この1時間2.7kmが効いてくるのは6時間後の話です。 途中でコンクリートも終わり、沢を渡ったところから本格的な山道が始まりました。 沢で小休止していると、バスで一緒だった丹沢のマエストロが現れ、おもむろに排水みたいなパイプから流れる水を飲みだしました。 もちろん下水などではなく、丹沢山系でじっくりと濾過された水で、「これが美味いんだよ」と。 私も口をつけてみましたが、冷たくて確かに「水が美味い」といった感じです。 丹沢は神奈川県の水源地でもあり、最初の一口を美味しく頂きました。 山道に入ってからは植林地の中をひたすら登る格好となり、歩きやすい山道ではあったものの眺望はなく、振り返ると相模平野が木々の間に見下ろせる感じでした。 いくつか涸沢を巻きながら尾根線が見えてきた頃、それまでの静寂から変わってエンジン音やタイヤの摩擦音が聞こえるようになり、ヤビツ峠に到着です。 後からのバスがちょうど着いたようで、時間的には秦野駅でバスを待っても変わりませんでしたが、余分に歩いているために体力的なハンデを追ったことになります。 ヤビツ峠からはアスファルトの車道を行くようになり、ハイカーと自転車と乗用車が行き交う「ヤビツ銀座」みたいになっていました。 峠を越えたので仕方がないのですが、ダラダラと車道を下るようになり、せっかく稼いだ標高差を50mも消費することになりました。 車道を歩くこと約2km、富士見橋に到ってからはいよいよハイカーの専用道です。 それでも富士見橋からは樹林帯の中をひたすら登る感じで、「早く尾根線に出ないものか」と、ついペースを上げてしまいました。 そして尾根に上がって二ノ塔に到着すると、一気に眺望が広がりました。 次なる目標は三ノ塔のピークです。 振り返ると大山が同じ高さに見えるようになり、目を転じると相模湾と箱根の外輪山が目の前にあります。 大山 相模湾 その右側に箱根の外輪山が見えるのですが、実は丹沢の次候補が箱根外輪山で、どちらにするか迷っていました。 二ノ塔から三ノ塔に到る間、右側に東京都心部も一望しながら、それでも気になるのは左側です。 今か今かと左に目を向けていると、もったいぶったように登場してきました。 待ってました。日本一! 山に登る理由はそれぞれあると思うのですが、戦国の山城を求めて登る人もいれば、アマチュア無線の感度を求めて登る人もいます。 三ノ塔 三ノ塔のピークでもアマチュア無線家が無線機を持ち込んで、この景色を実況中継していました。 三ノ塔からは塔ノ岳を目指して尾根沿いを歩くことになるのですが、ありがたいことにこれから歩く尾根の全容を見渡すことができました。 中央にあるのがこれから目指す塔ノ岳です。 これから越えなければならないピークを数えたのですが、尾根に出た安心感もあってかなり楽観的でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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