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カテゴリ:山登りと山歩き
これまでの南アルプスと言えば、関東の山からわずかに見える山並みか、関西便の機窓から下に見える山ひだくらいの印象でした。
それでも7月に韮崎の新府城を訪れた時、間近に南アルプスの気品ある山容があって、さらには何とも言えない気高いオーラを放っていたのを覚えています。 その時から「あそこに行きたい」という気持ちが強くなり、この1ヶ月の間、あえて歩きづらくて苦手な山に登ったりしていたのも、南アを意識していたからでした。 その数ある南アの山の中で、今回選んだのは「南アルプスの女王」の別名を持つ仙丈ケ岳です。 南アの入門的な山ではありますが、日本アルプスとしては北ア以来約20年ぶりで、3,000m峰としては同じく富士山以来のこととなります。 体力的な問題もさることながら、もっと頭が痛かったのは天候でした。 直前までの天気予報では、山梨県南アルプス市の降水確率は40%、長野県伊那市では50%となっており、この日に限って天気が悪そうな感じです。 晴れ男とは言わないまでも、これまで天候にだけは恵まれてきた方なので、ここで一気につけが回ってきた気がしました。 ところで仙丈ヶ岳までは1泊2日の行程となるのですが、最初は夜叉神峠か芦安まで、仮眠をとりながらクルマで行こうかと思っていました。 夜叉神峠から先の南アルプス林道は一般車通行禁止なので、その先はバスに乗り換えることになります。 南アルプス林道のような山道のワインディングロードとなれば、我が相棒のパジェロ君の得意とするところではあります。 それでも5速マニュアルという弱点があって、「帰り道でクラッチを切ったら左足がつる」というオーナーの一方的な意向により、今回も出番はなくなりました。 公共交通機関を使いながら、なるべく安く済む方法はないものかと探していると、山梨交通で毎週金曜日に「南アルプス登山者バスツアー」を催行していることが判明しました。 以下の行程で1人6,600円です。 新宿西口22:00発~[中央自動車道]~双葉SA【休憩(買物可)】 24:00着・0:30発(予定)~白根IC~天恵泉白根桃源天笑閣1:00着(休憩)5:10発~(路線バス)~広河原 6:30着(予定) 早速申込みをしたのが1週間前で、台風の接近とともに天候が悪化してきたのはその後のことです。 もはや後戻りはできず、とりあえず北沢峠まで行って、雨が降っていたら帰ろうと思っていました。 ところでこのツアー、前週8/23のツアーは満席だったのでよほど盛況かと思っていたら、この日8/30の参加はたったの13人(半分は女性の単独行)でした。 山梨交通からも「今日は自由席ですので、ご自由にお使い下さい」とのことで、観光バスを広々と使いながら天笑閣へ、そして畳の上で仮眠をとった後は、まだ暗いうちに南アルプス林道へ向かうバスに乗り換えました。 路線バスに揺られながら南アルプス林道を行き、夜叉神峠を過ぎたあたりでようやく日が昇ってきて、意外にも天候はよさそうです。 車窓から見ると、南アルプスの山容が間近に迫って朝日に映えていました。 揺れるバスの車窓からの画像なので迫力はありませんが、実際に見た私なんぞは胸に込み上げるものがあって、朝食代わりのおにぎりをほおばりながら、思わずウルウルきていました。 目指す仙丈ヶ岳山頂は雲の中のようです。 「来た甲斐があった」と、南アルプスの急峻な山容や野呂川の渓谷美に魅入っていると、バスは広河原に到着しました。 広河原アルペンプラザ 北沢峠へのバスを待つ人たち。 まだ朝の6:30でこの行列です。 広河原で南アルプス市営バスに乗り換えて北沢峠へ、途中の野呂川出合で両俣小屋経由北岳へ向かうアルピニストと、ランディングネットを背負った渓流アングラーが数人下りたものの、ほとんどの人は仙丈ヶ岳と甲斐駒の登山口である北沢峠で下りました。 天候はまずまずなので、この先に行くことにしました。 北沢峠で下りた大半は甲斐駒へ向かったようですが、私は仙丈ヶ岳へ向かいます。 左は双児山経由甲斐駒ヶ岳、右は仙丈ヶ岳への直登ルート お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018/03/19 09:18:28 AM
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