法隆寺西院伽藍(奈良・斑鳩町)
大和は「国のまほろば」であり、自分が育った場所でもあります。実家は広島に移ってしまい、もはや奈良に帰る場所はありませんが、大阪に用事があったため、久しぶりに秋の大和路を訪ねてみました。法隆寺前の国道25号線は何百回と通っているのに、実は法隆寺の中に入るのは2,3回くらいしか記憶にありません。南大門(国宝)室町時代の建立だそうですが、この見慣れた門が国宝だとは知りませんでした。法隆寺では、建造物だけでも18件が国宝に指定されており、その他の美術工芸品などを含めると、何件が国宝指定されているのでしょうか。建造物について言えば、法隆寺にある47件のうち18件が国宝で、残りの29件は全て国指定の重要文化財です。三経院及西室(国宝)聖霊院(国宝)と東室(国宝)聖霊院には聖徳太子が祀られており、聖徳太子及び眷属像は国宝に指定されています。妻室(国指定重要文化財)重文の建物はそう滅多にお目にかかるものでもありませんが、法隆寺に来ると重文の格が下がるような錯覚があります。綱封蔵(国宝)奈良時代から平安時代に造られた倉庫で、高床式になっています。食堂(じきどう)(国宝)と細殿(国指定重要文化財)日本書紀では670年に法隆寺が火災で焼失したとあり、現在の建造物はその後に再建されました。聖徳太子の時代の法隆寺は残ってませんが、それでも廻廊で囲まれた西院伽藍は、世界最古の木造建築群となっています。五重塔(国宝)世界最古の木造建築物です。金堂(国宝)鞍作止利(くらつくりのとり)による釈迦三尊像(国宝)などが安置されています。金堂と五重塔廻廊(国宝)と鐘楼(国宝)大講堂(国宝)建造物だけでも圧倒されそうな法隆寺ですが、仏像などの美術工芸品も数多くの見どころがあります。「大宝蔵院」には、観音菩薩像や百済観音など、飛鳥時代から白鳳時代にかけての仏像(もちろん国宝)が綺羅星のごとく建ち並んでいました。(館内は撮影禁止なので画像はありませんが、法隆寺のHPにて紹介されています)個人的には「玉虫厨子」を楽しみにしていました。(これだけ身近に長く住んでいながら、玉虫厨子は美術や歴史の本でしか見たことがありません)実物を目の前にした時は、「これまで写真で見てきたものが実際にある」といった感じで、現実を認識するのに時間がかかったほどです。