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カテゴリ:パイロゲン
私は環境・健康という仕事柄、農家さんとの関わりが多いのですが、 新しい生産技術、環境改善技術などを通じて、 未来への夢、将来への希望などを語り合っておりますと、 「もう10年早くこの話を知っとったらなぁ~、バリバリやるんじゃけどなぁ~」と、 うれしい声を聞かせていただくことが度々あります。 しかし、そんな情熱を燃やしてくださる農家さんも、そのほとんどが70歳前後という高齢者。 近年、「食」の安心・安全に関する人々の関心は非常に高く、 農薬・化学肥料が、ただただ悪いものとして敵視されるようになり、マスコミに扇動されて、 現場を知らない無学な消費者たちは、自己チューな評論家となり、 その煽りを受けた農家さんたちは、困惑の色を隠せずにいる。 地球温暖化、酸性雨、土壌の疲弊等など、環境の悪化と戦いながら、 良い物を作ろう、おいしいものを作ろうと、暑い日も寒い日も、雨が降ろうが雪が降ろうが、 作物という”生命”と向き合いながら、いつも農家さんは日本の食卓を守ってきました。 ”お金を出せば何でも買える世の中”で育った私たちは、 全く現場の事情を知らない。いや、知ろうともしてこなかったハズだ。 お役人が決めたことと、テレビが言うことは正しいと、長年の間、洗脳を受けてきた。 何かのキャッチフレーズではないが、「現場には真実がある。」 この仕事に携わるようになって、「食の現場」に触れるようになり、 私たちの命を担う「食」の現状が、今どうなっているのか、気づかされることとなった。 そこには明かされることのない現実がある。 そこには、「大量生産・大量消費」社会が作った”負の遺産”が残されていた。 しかし、その一方で、命をお金に換えてしまった行政に従うことなく、 未来の子孫のために、この国を守ろうとがんばっている人たちがいる。 また、残された命を、明日の子ども達のために捧げようと、新たに立ち上がる方もいる。 「もう10年若かったらなぁ~」という言葉の中にある、 ”もっとチャレンジしてみたい!”という情熱に、心底頭が下がる想いになる。 そして、残された大切な時間の中で、一緒に取り組んでくださるその姿に、 感謝の気持ちで一杯になる。 その深いシワに刻み込まれた笑顔の奥に、とてつもなく大きな愛情を 感じずにはいられなかった。 この日本という国を守るために、私たちに何ができるのだろうか。 この人たちの想いを引き継いでいく者が、どんどん出てくる社会を創らなければならない。 そして、私もその一人でありたいと心に想う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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