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バンコク竹亭日記

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2016.10.18
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テーマ:タイ(3327)
カテゴリ:カテゴリ未分類

数か月前から、シーロムのセントラルデパートの前で
タイ舞踊と静止芸のパフォーマンスをしているニューハーフの方がいます。

今月初めに歩道での屋台、露店の営業が禁止されてからも
毎日ではないけど
彼女はしっかり同じ場所でパフォーマンスを続けています。

一昨日は見かけなかったけど
今日はいました。

彼女は国王が崩御される前は
赤やピンクの晴れやかなタイドレスを着ていましたが
今日の衣装は白一色。
やはり喪に服しているのでしょう。

通常、ニューハーフの方は愛嬌のある人が多いのですが、
彼女はいつも無表情で
孤独の影をまとっています。


足元の箱にチヤリンとコインを入れても
能面のような表情を決して崩しません。

ただ押し黙ってタイ舞踊を踊り
かと思うと
マネキンのように固まってピクリとも動きません。

やがて静止しているのに疲れてくると
また踊って身体をほぐすのでしょう。

彼女の周りでは
時間がピタリと止まっているようで
彼女のパフォーマンスを見ていると
いつも不思議な気持ちになります。

敬愛する国王は
天国へ戻られてしまい
多くの人が涙の海ができるほど悲しんでいるけど
時は一刻も休むことなく刻み続けている。

まるで何事もなかったかのように
地球は回り
人々は今日も生きている。

仕事や学校に行き
笑ったり怒ったり泣いたりしながら
昨日と同じ日常を繰り返している。

そんな当たり前のことが
なんだか不思議に感じられる今日この頃です。

それはタイが平和な証拠で
素晴らしいことなんですが。 


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最終更新日  2016.10.18 00:53:26
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