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『人情は反復し、世路はきくたり。
行きて去らざる処は、すべからく一歩を退くるの法を知るべし。 行きて去るを得る処は、務めて三分を譲るの功を加えよ。』 (人情は掌を返すように変わりやすい。 人生の行路もまたけわしい。 こうした困難な世渡りの秘訣として、人に譲る心が必要になる。 たやすく通れない道は一歩退いて他人を先に通すように することである。 また、たやすく通れるところでも、そのまま行かず 十のうち三を他に譲るようにすればよい。) 会議などで見られる風景だが、主題とかけ離れた論議になった時、 それが発展して感情が加わり、ついにはけんか沙汰にまで 発展することさえある。 会議が論争になると互いに理性が失われ、会議の目的などは 投げ出されるようになる。 「わけのわからないやつだ」などと言い出す。 わけのわからないのは、実は自分であることも忘れているのである。 もし、会議の目的に外れていない意見なら素直に賛同すべきである。 それが組織内の和を保つ一助ともなるし、自分の仕事を進めるための 道にも通じてくるものである。 私は銀行の課長時代、ある計画書を常務会に提案したが 審議未了で6回も返され、7回目にトップとの直接交渉で 承認を得たことがある。 トップが承認印を押しながら 「井原君は東京から北海道へ行くのに九州回りするような人間だな」 といわれ、 「世界一周をしても北海道へ行きます」 と答えたことがあった。 目的は計画の承認にあると考えていたからである。 (『菜根譚』を読む 井原隆一著より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.08.20 15:21:41
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