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カテゴリ:その他のお話
節電について、かなり間違った話が出ているので・・・・
まず、発電について基本的なことを理解してみます。 発電された電力を貯めておけると思っている人、多いんじゃないでしょうか? バッテリーのようなもので貯めるという事です。 実はこれ、不可能です。 発電所で発電された電力は、光と同じ速さで送電線を伝わります。 途中に変電所などで電圧などを変換されますが、基本的には「今使っている電力は直前に発電所で発電されたもの」です。 発電したものを貯めて、放出しているのではありません。 とすると、どうなっているのか・・・・ 発電する量を常に微調整しているのです。 発電システムによって異なりますが、代表的なものを例に挙げます。 ・原子力発電=24時間同じ出力で稼働し、一定の発電をし続ける ・火力発電=出力の調整が可能 ・水力発電=出力の調整が可能 ・揚水式水力発電=深夜電力で下のプールから上のプールにくみ上げ、必要なときに落として発電する つまり、基本的な部分を原子力でキープし、その上の部分を火力発電等でカバーするのです。 微調整をしながら。 さらに、火力発電の出力MAXでも足りないときや緊急時は「揚水式水力発電」を使います。 上に溜まった水を落とすことで緊急発電が出来るのです。 この揚水式は深夜電力で逆にモーターを回し、下の水を上にくみ上げます。 くみ上げる場合の電力が大きいために単体でのバランスは赤字になりますが、使われていない深夜電力(=だから深夜電力は安い)を使うので、意味はあるのです。 あえて言うなら、これが【電力の貯蔵】というわけです。 水をくみ上げて貯蔵し、必要なときに落として発電するということですね。 これらの組み合わせで、需給のバランスを取っています。 極端な話、深夜は原子力以外のすべての発電をストップするケースもあると思います。 それでまかなえればいいという事です。 それでもおそらく、供給の方が大きいこともあるでしょう。 原子力は出力の調整が原則として出来ませんので。 そうして余った電力はどうなるかというと、先ほどの揚水式に使って貯める以外には【捨てる】しかありません。 揚水式で貯めるのも限度があります。 そこを覚えておきましょう。 さて、節電です。 節電が必要なのは、早朝と夕方を含めた「日中の需要増大時」です。 その時は原子力に加え、火力・水力をフル稼働させています。 もちろん微妙な出力調整を行いながら。 例えば今、電力使用量グラフがいろいろなところに表示されていますが、その数値が100%以下の時。 火力発電所等の出力を絞って調整しています。 100%は、すべて使ったときの全力の話です。 上限に近づくと「揚水式も動かしはじめる」のです。 ただ、揚水式は最後の切り札。 夕方のピーク時に急激に増える需要に合わせて稼働するのが基本なので、昼間は使いません。 (夏場は暑さのピーク時に合わせて使用するようです) ということは、節電するのは「朝から夕方」が基本です。 昼間の活動している時間帯にどれだけ節電できるか、というのが重要になります。 ここで気がつきませんか? 夜間、深夜の話です。 深夜になれば、電力が不足するようなことはありません。 むしろ余ってしまって、その分はただ捨てるだけです。 もったいない。 その深夜の電力まで節電する必要は無いのです。 高速道路の照明や、ネオン、看板照明、街灯などを消灯する必要はないのです。 それによって昼間の需要が減るわけではなく、今求められている節電とはまったく違うと考えましょう。 確かに不要なネオン等の消灯は良いと思います。 ですが、安全に関わる照明を消している今の状況は、まったく無意味です。 道路の照明や、安全のための街灯などを深夜も消灯していますが、これは本当に無意味です。 これは速やかにやめるべきです。 節電というものの本質を良く見極め、正しく行うことが必要でしょう。 ある記事を見ました。 それは、モータージャーナリストが「電気自動車を所有している」のですが、その充電についてです。 電気自動車は基本的に【深夜電力を使って充電する】のですが、この節電の風潮で「充電することに背徳感を感じる」という記事を出していました。 みんなが節電しているのに、電気で走る車に乗れない・・・・などと。 これ、大きく間違っています。 今でも余っている深夜電力を有効に使うことは、むしろ正しいことです。 電気自動車などはその究極。 積極的に深夜の充電を行い、日中はそれを使用するのです。 背徳感を感じるどころか、正しい電力の使い方としてアピールしなければならないはず。 プロであるモータージャーナリストが、こんな間違った記事を書くようじゃ・・・ダメですね。 さらに、石原都知事が蓮舫大臣に「コンビニの深夜営業を自粛すべし」という要請をしたという記事も。 これも石原都知事、アホです。 深夜営業は節電にまったく無関係です。 元々供給能力に相当の余裕がある深夜ですから、そこで節電してもなんの意味もありません。 コンビニは深夜の安全確保という側面にも役立っています。 そこを自粛して、なんの意味があるのかをよく理解してもらいたいですね。 深夜に使用量を抑えても、その分が昼間に加算されるわけではありません。 つくって貯めて・・・ということも出来ませんから、本当に無意味です。 自治体の長こそ、きちんとした理解のもとに行動して発言してもらいたいものです。 当然ですが、マスコミも。 東京ドームやTDRの営業に大量の電力を使う、というものがありますが、それよりも大量に使うところがあります。 【パチンコ店】です。 ここの自粛をさせないで何を考えているのでしょうか? 少なくとも、使用量を減らす要請をすべきです。 パチンコ店の使用電力量はすさまじく、数も多いために大変な負担です。 なぜ、政府がそのような要請をしないのか。 それは、民主党の後援にパチンコの団体がいるからです。 それもおかしな話。 特にパチンコ店は日中しか営業しません。 深夜は行いませんので、そこの節電効果は絶大です。 みなさんも日中の節電という部分を強く理解していただき、その実行をして下さい。 ただし、深夜は逆です。 「充電」をするような作業は、全て深夜で行いましょう。 電力の有効活用という観点で電力を使いましょう。 捨ててしまう電力の有効活用は、長い目で見るとエネルギーや資源の節約になります。 深夜や夜間の街灯の消灯は間違っている、と思って下さい。 安全の確保は必須です。 今後、街が暗いままだと犯罪の発生率が上がるでしょう。 思い出して下さい。 暗い夜道で襲われたりして危険なので、街灯を増やしたりしませんでしたか? そのような要請を出しませんでしたか? 駐車場の照明を増やしたり。 いま、夜間に消灯することでそのような危険がまた増えています。 正しい知識と理解を持って、行動しましょう。 夜10時以降は消灯の必要はありません。 特に通学・通勤路や歩道の照明、アパートやマンションの共用灯、住宅街の道にある街灯、玄関のポーチ灯などは、決して消灯しないで下さい。 犯罪者の思うつぼです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 1, 2011 12:29:54 PM
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