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「ちっ!」男は ぶつかり様に舌打ちをして 一瞥して足早に人の波に消えて行った。 「何よ!肩が当たったくらいで」 肩を ひと払いして真由美は歩き出す。 昨日あのサイトにハマって寝るのが 遅くなったからかしら? なんかパッとしないわよね! コーヒーでも飲んで行こう
しばらく歩き 喫茶店の前で躊躇する真由美 「まぁ いいか!」 昔と変わりない店の中 「お客様 1名様ですか? おタバコは吸われますか?」 「ええ」 店員に案内され窓辺の二人用の席に案内される。 「アイスコーヒーで」 座った隣のテーブルに見覚えのある英字新聞 まさかね… 足下におかれたカバンに目をやる。 げっ! やおら新聞を下ろし男が埋まった席の相手を確認する。 「ひさしぶり」 「……」 「なんだよ そんな顔して」 「おはようございます。… ここまだ使っていたの?」精一杯の答えだった。
「お待たせ致しました。アイスコーヒーです。 待ち合わせでしたか? 席ご一緒しましょうか?」 話しているのを見て店員が気を利かせる。 「結構です。」 真由美は間髪入れずに答えた。 店員を見送り 男の眉が動く ストローをやるせなく開け ため息をついて コーヒーに差し入れる。 薄いグラスの中で氷が当たり カランと音がした。 今日はついてないのかも 深入りされたコーヒーにミルクを落とす そのまま 溶かさずにストローで吸い上げ やっと一心地ついた気分だった。 「まだ あの会社にいるの?」 「そうよ」 英字新聞を畳む手に指輪を見つけ 再びコーヒーを飲む 目敏く男は真由美の視線に気づき 「あ~そう 結婚したんだ今年」 「おめでとう 幸せそうね」 コーヒーのアロマか 気分的に冷たいコーヒーが 心を落ち着かせる。
男のケイタイが鳴る。 「あっ!おはようございます。 今日は早いですね…」 男の意識がケイタイに集中している内に 真由美はコーヒーを堪能する。
「…はい!え~では 後ほど」 男は手際よく新聞を片付け 伝票を手にとった。 真由美の席に近づき 「前より格好良くなったね じゃ」と言って 真由美の伝票も持ってレジに向かった。 「今日も まんざら悪くはないわね」 自分の独り言にクスリと笑い。 最後の一口を飲み干した。
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