ヒモいらず　亭主いらず

答えが分からなくて

ノートに涙が落ちる。

術もなくノートは水を含み膨らむ

「だからドコが分からないの？」

いらだち紛れの先生の声が

既に耳でボワンと聞こえる。

「先生の話を聞いてなから！」

大人になって　

あの時の応えるべき言葉が分かった。

「分からないトコが

分からない」

昨日の魚取りが祟ってか

長男が熱を出して体よく試験前の塾を休んだ。

しかし熱はなかったが

「円」の分野で四苦八苦する次男は

モジモジしながら婆蔵さんに

塾を休みたいと陳情するも

受け入れられず

残されコテコテになって帰宅して泣く

手を差し伸べたが

スルリと交わして抜けて行った。

もう５年生だもんね

仕方なく居間に転がり次男を待つ

子供まみれタイムも一段落して

コロリと横に転がってきた。

「分からいとこはドコ？分数？」

「ううん　円のとこ」

「３．１４の掛け算を間違えるのかなぁ？」

「うん」

別にいいじゃん円の直径なんか知らなくたって

面積なんか大人になって計算しないもん！

電卓あるし！

母さん憶えたけど使ってません。

言いたいとこだけど言えない私

ころがった次男の背に手を当て

「まぁ　そんなこともあるさぁ」とサラリと流した。

タイプが違うので

長男はショートな説教などを少々

なんか今日の私は説得力に欠けるｆ－－；