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テーマ:国際恋愛(198)
カテゴリ:タコ サラリーマン期
「タミーさんです。」
マネージャーの山崎さんが、私達の席に紹介してくれた。 今はなき六本木クラブマキシムの新人アメリカ人のタミーは、顔の造作が全て派手で化粧も目一杯。もう少し言わせてもらえるなら体全体も、もうどこもかしこも隠せないくらい立派な金髪娘。 「タミーちゃんはね、アメリカに彼氏がいるんだから口説いちゃだめよタコさん。」 私のテーブル担当のみはるさんに釘をさされた。そんな甲斐性は新人サラリーマンのわたしにはないことを、みはるさんは見越してそう言った。因みに、みはるさんとは週末に赤坂で偶然すれ違って、すっぴんでまったく本人だと気づかない失態を演じてしまった経験がある。それ以来、何が怖いって女性のすっぴん程怖いものはない、と思うようになっている。 「そうよ、独身で金髪好きって、まったく本当に隅に置けないんだから。」 いつも豪華なドレスで甲高い声のみどりさんも言う。因みに、みどりさん、どうしていつもふわっと広がったドレスに身を包んでいるのかと思っていたが、踊ったときにそのあまりな華奢な体型に ビックリしたことがあった。服でカバーしていたのだろうか。体型を隠す服も怖いと思うようになった。怖いものが増えていく。 この店では、ビックリすることが多かった。特に、勘定とかにも。座るだけで2万円は請求される クラブだから、座るだけじゃもったいない、なんて思ったわけではないが、若気の大至りとでもいうのだろうか、下界では全くもてないのに、この六本木の赤い絨毯で下りる洞窟のようなマキシムでは私は大いにはしゃいでしまっていた。田舎から出て来た青年が、会社の金で有頂天の勘違い。 それでも、9歳からの筋金入りの金髪好き、嫌がるタミーを連れて映画にも行ったし、鎌倉へも行った。どちらも女友達をしっかり連れてくる彼女がいじらしかった。 「あらいやだ、知らなかったの?タミーちゃん、先週であがってもうアメリカに帰ったわよ。お金沢山貯めて。ウブねタコさん、残念でした。」 みはるさんが、パーラメントに火を点けて私に寄こしながら言った。水商売のつれなさなんてそんなものなのだろう。 「ミルナさんです。」 マネージャーの山崎さん、今度は小柄だけど目鼻立ちのしっかりしたアジア系の女性を紹介してくれた。見たら怒られそうな名前のフィリピン人と言った彼女からは、とんでもない被害を受けるハメになってしまったのだが、、、。 常軌を逸した業後の「サカリ」は、行きつく港の見えないナンパ船。勘違いが地球を3周り半くらいして沈没。しかし、そのお陰でサラリーマンを自ら下りた時には、しっかりと身の丈に生きる勉強もさせていただき一応、更生。 あの頃があったので、今このままあの世に行ったとしても、極楽の蓮の池に居並ぶ人たちの衣の洗濯をするくらいの職にはありつけそうな気がしないでもないが甘いだろうか、、、。 毎回、果敢にこの緑の箱をクリックよろしくお願いいたします。 タコ社長の本業・オーストラリア留学 タコのツイッター Twitterブログパーツ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年07月27日 01時09分10秒
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