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テーマ:海外生活(7779)
カテゴリ:忘れられない人々
「タコさん、オーストラリアから日本に帰らずそのままタイに行くことに決めました。」
60半ばになる石川さんが挨拶に来られた。オーストラリアに都合7年いて、そのうち5年は英語を学ぶ学生生活をされていた。ご兄弟がこちらにいるということで、日本を出てオーストラリアで学生生活をしていたが、それに終止符を打って、学生仲間で知り合ったタイ人に話しを聞いて タイ行くことにしたという。 「どうせ日本に帰っても家族もいないし。帰ってもしかたないんですよ私は。」そう笑顔でいう石川さんは独身だ。今まで身の上話も聞いたことがないので、どういう生活をしてこられてのかは分からない。 「いつまでタイにおられるつもりですか?」私は聞いてみた。 「これから一生いるつもりです。年金で生活できますからね。」 近年、タイや今私が英語学校をやっているフィリピンに永住する人が多いが、目の前で話している石川さんもその一人になるという。因みに、私の友人でご夫婦でマレーシアに定期的に生活しに行っている方もいる。中高年、アジアが生活の場になってきているのだろうか。 「オーストラリア、物価が高くなりましたよね。生活も厳しいです。その点、タイでは心配しないで生活ができます。」小柄な石川さんがメガネの奥で笑顔をつくった。東京、大阪、シドニーそしてメルボルンが世界で最も物価の高い都市、という調査もある。 オランダ系の連れ合いに追い出されたら私にもタイやフィリピンがあるのか、なんて思った訳ではないが、なんだか心の支えにはなってくれそうにも思えた。しかし問題は、私には年金がないということ。日本では9年弱しかかけていなかったから、もしタイにいったらヤミでココナツジュースなんかを売ったりして生計を立てていかないとならないかも知れない。 「バンコクは大変だから、少し涼しいといわれているチェンマイにそのまま行きます。」 「ああ、あの玉本さんで有名になった。」 石川さん、苦笑いしていた。今の若い方々には何の話か分からないだろうが。 石川さんは、別れのエレベーターの中から満面の笑みを浮かべて、その童顔丸顔を深々と下げて挨拶をされて帰っていかれた。 毎回、果敢にこの緑の箱をクリックよろしくお願いいたします。 タコ社長の本業・オーストラリア留学 タコのツイッター Twitterブログパーツ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年07月29日 07時12分29秒
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