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テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:忘れられない人々
「今、何時ですか。」英語のクラスじゃないんだから、もう少し気のきいたことを聞けなかったのかと思う。場所は、池袋の丸物デパート(今のパルコ)、高校一年の私は学生服に身を包みならが平静を装ってベンチに腰掛けている女性にそうきいた。丸顔、おかっぱでお人形さんのような顔をして、緑色のセーターが体に必要以上にフィットしたおとなしそうな人だった。彼女は、階段の踊り場のベンチに腰掛けて休んでいた。あんなことが自分にもできたんだ、と今なら褒めてやりたい。覚えていないだけなのかもしれないが、後にも先にもなかった経験に思える。
時間を聞いただけでは終わらなかった。住所と電話番号も聞けた。人生、何だか急にバラ色に思えた瞬間だった。その後、何度か会う機会があった。私より2つ年上のKさんは、栃木の中学を卒業して東京の洋裁学校に通う、少々北関東ナマリのある人だった。 「私、知らない人と話したの、初めてなの。貴方、学生服着ていたし、真面目そうだったからなの。誤解しないでね。」 学生服って案外役に立つものだと思って感心したりして、Kさんが何を言いたかったのかまで気が回らなかった。Kさんは、真面目さを代表して栃木から上京しているような人で、いつまでたっても出会ったときのような関係が続いた。 結局、私の気持ちと期待が先行し過ぎて、そのぎこちなさを大いに突かれ最後となった。Kさんからの最後の手紙に、「肉を食べると体にも悪いしどう猛になりますよ。あなたは、菜食主義者になった方がいいと思います。」とあった。じゃ、坊主はどう猛じゃないのか、などと怒ってみても始まらない。Kさんは、当時信奉していたある菜食主義者の先生が書いた本の名前と出版社を教えてくれた。私は、今つくづく思う。あの時菜食主義者になっていたら、人生だいぶ変わっていただろうと。 ただ、この10年くらいのことを思うと、随分と菜食主義に近い食生活になっているとは言える。健康上のいろいろなことにも出会ってきている。そんなこともあって、最近はどうも、どう猛ではなくなってきているような気がしてならない。枯れ始めているのだろうか。 そんな折、「年寄ほど肉を食べろ!」という人が増えてきているのが気になっている。週三回くらいはステーキとか食べている人の方が健康で長生きしているというのだ。Kさんに会ったら言ってあげたいくらいだ。 ということで、肉食が中心のフィリピンには定期的に出向いていろいろな刺激を受けると健康で長生きできる、ということなのかもしれない。 毎回、果敢にこの緑の箱をクリックよろしくお願いいたします。 タコ社長の本業・オーストラリア留学 タコのツイッター Twitterブログパーツ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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